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女性診療放射線技師のリアルライフ~山形県立河北病院 放射線部 技師長│佐藤晴美~

仕事編

Q.診療放射線技師を目指したきっかけ
A.山形県でも田舎ですので“手に職を付ける”というのが前提でした。女性の資格職は医療職しか思いつきませんでした。地域の総合病院を頭痛で受診した時に、男性技師から頸椎の撮影をしていただいたのですが、ここに女性技師がいたらいいのにと思ったことがきっかけです。女子高でしたので女性の輪の中では仕事をしたくなかった事と、使われるだけではなく主体的に仕事がしたかった事です。

Q.やりがいを感じるとき
A.技師長としては、スタッフの労働環境を改善できた時と、“一人一人の個性や伸びしろ”を引き出せそうなアドバイスができた時。MMG撮影の時は「痛くなかった、苦しくなかった」と声をいただいた時、悩んで苦しんでいた事を打ち明けて(年齢が上がるにつれそんな事が増えました)もらえた時です。

Q.マンモグラフィとの関わり
A.マンモグラフィはリス無しパックスクリーン2分割撮影の時代から長いこと撮影しています。どんな撮影がいいのか、何もわからないところから始まりました。その頃は年配の男性技師が撮影していましたが、今のような理論的な指導はありませんでした。
 リス有カセッテ撮影になった頃から、テキストや乳腺撮影の勉強会が開催されるようになりました。初めて“いいマンモグラフィの要件”などを知り“同性の診療放射線技師だからこそいい写真が撮れる”と信じて撮影をしていました。またこの時期は、施設に女性技師が一人か二人でしたので専任的に撮影していましたが、女性技師としてやりがいをもって日々に励んでおりました。

学会にて撮影

Q.職場遍歴
A.地方公務員ですので、望まなくとも転勤があります。保健所よりスタートしました。臨床が全てと思っていた時に、上司から「行政の技師の役割と、法律に基づいて仕事をするので法律を分かった上で、仕事をしてください」
と指導されました。自分の役割、何のために診療放射線技師が行政の中で必要とされているのかを、勉強しました。
 この経験が、診療放射線技師は、自分は何のために仕事をするのかを明らかにして、それを達成するための考え方を身につけることができたのだと感じています。

Q.キャリアアップについて
A.その時々に自分の役割は何なのか?を理解し、所属長と認識を一つにすることが必要です。所属長や中間の上司が、理解者となってもらえるようなコミュニケーションを自分から構築していく気持ちが必要だと感じます。上司は、部下の状況を感じ取り、病院の使命を伝え、自分達の役割を見出し、ベクトルの向きを修正できるようにならなくてはいけないと思います。キャリアアップするには、今の自分の中に埋没する事なく、所属の中の一員、病院の構成員の一人、全国の診療放射線技師の一人であるという立場で自分を俯瞰できるようにならなければ難しいと感じます。

プライベート編

Q.美容事情
A.“お肌”は特に、困ったことはなく、お化粧品は美容部員さんのアドバイスのままです。年齢と共にグレードの高いお化粧品になっています。

Q.仕事との両立について
A.「仕事と家庭の両立」と言うと、どちらも完璧にこなしたいと、思われがちですが、その時にできる最善でいい! と私は思っています。なので、お総菜もよく買います。仕事で無理ができない期間は、上司と相談して仕事のウェイトを変えてもらいました。しかし、子育てはほったらかしというわけにはいきませんし、子供のその時々の時間は戻せません。仕事と家庭の時間の「こころのスイッチ」の切り替えが大変重要です。こういう視点に関して女性は上手ですね。

Q.結婚生活について
A.お互いに依存しなくていい位の年齢になってからの結婚でした。きっかけはスキークラブで一緒になったことです。私は競技スキー(国体出場経験あり)出身なので、基礎スキーの夫の前を滑っていました。
 お互いに譲れないところは、譲らない。家庭では、昔からの男の仕事、女の仕事があって、ここは男女雇用機会均等?男女平等? にはなっていないですね。老後が心配!

Q.私のオフタイム
A.これでも人見知りするので、居心地のいいギャラリーカフェによく通っています。
 手仕事の心地いい作品を見たり、手にして楽しんでいます。気に入った物を身につけたり、使うのが好きです。素敵な女性オーナーとのトークを楽しんで、リフレッシュしています。時々、和菓子を作ってお気に入りの器にのせ、お抹茶をいただいたりもします。

Q.趣味について
A.二人目を妊娠してからはお茶のお稽古に行けなくなっています。時折、お茶席を持つことがあります。一年以上も前から、季節や二十四節気を考えて趣向を凝らすのが苦しくもありますが、いい刺激となり、とっても楽しいです。また、お稽古を始めたいのですが、まだまだお預けのようです。老後の楽しみにとっておきます。

自作の和菓子

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