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女性診療放射線技師 の リアルライフ ~神戸常盤大学 保健科学部 診療放射線学科│木村英理~

一 問 一 答

仕事編

Q.診療放射線技師を目指したきっかけ
A.私は星を見ることが大好きで、天文学関係の学部への進学を希望していました。しかし、高校3年の時に頭痛やめまい、嘔吐など体調が優れない状態が続くようになり、病院でCTとMRIの検査を受けたところ脳腫瘍が見つかり、放射線治療を受けました。自分の病気について説明を受けた時のMRI画像は今でも鮮明に覚えています。入院中に、様々な医療従事者を目にしましたが、その中でも放射線という特殊な知識と技術を用い、体内の様子を画像化したり、がんの治療を行う診療放射線技師という仕事に興味を持ち、この道を進むことを決めました。

Q.資格について
A.放射線機器管理士・放射線管理士・放射線被ばく相談員・マンモグラフィ認定技師・X線CT認定技師の資格を取得しています。また、昨年には認定心理士の資格を取得しました。以前より患者さんから被ばくの相談を受けたり、学生さんから様々な相談を受けたりすることが多く、相手の心に寄り添うにはどうしたらいいのかと思っていました。
「悩み」や「不安」という人の心に興味を持ち、認定心理士の資格取得に向けて勉強しました。心理学を学んだことにより、相手の心に寄り添うだけでなく、自分の考え方や生き方にも活かすことができそうで、取得してとても良かったと感じています。

Q.勉強について
A.子供が小さい時は上手く時間を作ることができずイライラしてしまうこともありました。そんな時、思いきって子供と一緒に寝て、3時くらいに起きる超朝型生活に変えたところ、自分だけの時間を作ることができ、今で
も続けています。私の睡眠サイクルは90分なのでその倍数を目安に起きるようにしています。超朝型生活は食事や身支度も余裕を持ってできるので私にはとても合っているようです。認定心理士の取得は、通信教育とスクーリングを実施している大学で学びました。4月から心理系大学院に進学し、医療と心理学を融合させた新しい分野を開拓できたらと思っています。

Q.キャリアアップについて
A.出産や育児は大きな障害になると実感しています。
もっと業績を伸ばせていたかもと思ったこともあります。私は家族・職場共に恵まれた環境でしたが、それでも上に上がれず悔しい経験をしました。でも、主人と子供がいてくれたからこそ、温もりや幸せを感じることができ、人間として大きく成長することができたと思っています。出産や育児を経験する女性がキャリアアップのために大切なことは、どんな形でもいいので「続けること」、そして、動けるようになった時にすぐに動けるように「情報のアップデート」と「活動場所のキープ」は大事だと思います。

プライベート編

Q.美容事情
A.40代になって疲れやストレスが溜まっている時は明らかに顔(特に目元)に出るようになりました。また、デスクワークが多いので体のラインなども気になるようになりました。これはまずいと思い、数年前からホットヨガを始めました。ホットヨガは、体幹を鍛えるだけでなく、代謝促進やデトックス効果、リラクゼーション効果もありとても気に入っています。温泉施設もあるので、時間が取れる時はゆっくりと温泉に入って、あかすりやエステなどでメンテナンスをしています。

Q.仕事との両立について
A.私は、自分の病気がきっかけで診療放射線技師になったので、この仕事に対して強いやりがいを感じています。主人は結婚を考える前から、私の仕事に対する意識や学会発表などについて理解を示してくれていました。主人をはじめ家族の理解とサポートがなければ両立はできなかったと思います。この環境に甘えないように、仕事などで遅くなる時は、食事は必ず用意し、些細なことでも感謝の気持ちを伝えるようにしています。また、私がお世話になっている方々や学生さんを積極的に紹介し、どのような環境で仕事をしているのか、理解してもらえるよう努めています。

Q.結婚生活について
A.私の主人は薬剤師です。職場の控室が一緒だったことが縁で、今年で結婚15年目になります。産後4ヶ月くらいから母乳が出なくなったことや車の免許を持っていないこともあり、ミルクや、お風呂、保育所の送り迎えなど、育児には積極的に参加してくれてとても感謝しています。
小児急病センターで勤務しているため、就業時間が不規則ですが、病院と自宅が近いので、できるだけ家族で食事が出来るよう調整しています。主人も学会発表や講演をする機会があるので、スライドやポスターを一緒に作成することもあります。お互いに仕事も子供との時間も大切に出来るよう心がけています。

Q.趣味について
A.私も主人もプロ野球が好きで、京セラドームや甲子園球場で観戦しています。学会や勉強会で地方に行った時は(時間や日程が合えば)球場にも足を運ぶこともあり、いつか12球団の本拠地巡りたいと思っています。また、今でも星や宇宙が好きで、子供と一緒に星やプラネタリウムを見に行ったりしています。昨年、筑波大学で研修を受ける機会があり、憧れのJAXAに行くことができました。次は、種子島宇宙センターでロケットの打ち上げやロケットロードを見れたらと思っています。

Q.生きがいについて
A.やはり子供と学生さんの成長を見ることです。今年、小学校6年生になりました。12年あっという間でした。あんなに小さかったのに、手も足も大きくなり、もう少しで私の身長を抜かしてしまいそうです。将来の夢は、保育所の時からずっと変わらず新種の恐竜を発掘すること。主人と共に、子供の健やかな成長を願うばかりです。
また、学生さんと接する期間はほんの数年しかありませんが、社会に出る前の最後の教育機関として、その責任はとても大きいと感じています。診療放射線技師として必要な知識・技術のみならず、人の心に寄り添える豊かな人間性を育み、社会に貢献できる専門職業人をしっかりと育てたいと思っています。

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