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なぜCa拮抗薬では”むくみ”や”歯肉増殖”が起きるの?

Ca拮抗薬は心疾患や食道疾患などで用いられている有用な薬ですが、当然副作用も存在します。
なかでも”むくみ(浮腫)”や”歯肉増殖”はなぜ起きるのか不思議な副作用ですよね。今回はこれに注目してみたいと思います。


Ca拮抗薬と浮腫の関係

Ca拮抗薬は血管平滑筋を拡張させる作用で血圧を低下させます¹。ですが、主に筋肉は動脈に多いです。当然、Ca拮抗薬では動脈のほうが拡張し、静脈に対してはそこまで拡張作用を示しません²。
そのため、動脈は広がっているのに静脈はそのままのため、相対的に静脈へ血流が過剰に流れて圧がかかります。
これにより、静脈毛細血管から間質へ水分が押し出されます¹。これがCa拮抗薬の浮腫の機序なんですね。

Ca拮抗薬と歯肉増殖の関係

こちらは未だに議論が続いているのですが、次のような機序が様々な報告から想定されています³。

  1. 静脈のうっ血による炎症の促進と線維化

  2. Ca拮抗薬がエンドセリンを誘導して線維芽細胞の増殖を促進する

  3. 歯肉細胞のアポトーシス阻害

よく見られる薬剤にも意外な副作用があるのは面白いですね。

参照
1)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8884561/
2)https://goodcycle.net/fukusayou-kijyo/0019/
3)https://www.jstage.jst.go.jp/article/perio/63/2/63_37/_pdf/-char/ja

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