「エッセイ」一人暮らし
耳の奥が静寂に満ちていく。
それを妨げるかのように、しーっとした音にもならないような音が響いている。
なんだ、これは?
ああ、部屋の隅に設置した空気清浄機が、静かに自分の仕事を全うしているのか。私が働かせているのに静寂の邪魔をする機械を横目でちらっと睨む。右手に挟んだ細いケントが悪いのに(苦笑)
そうだ、こういう時はお風呂を沸かそう。
こんな孤独を感じる日は、心の代わりに身体を暖めてしまおう。
私が純粋な一人暮らしをこのアパートで始めたのは、今から六年程前に遡る。それ以前