5月11日〈木〉メディア日記

 NHK含め民放各局ニュースは11日、バイデン大統領は10日、記者団に対し、来週行われるG7広島サミットについて「交渉の成り行き次第では現地に行かずにオンラインで出席しなければならなくなる可能性もある」と述べ、日本を訪問しない可能性に言及した。バイデン大統領は、前日の9日、協議の折り合いがつかなければG7広島サミットに出席しない可能性もあるかと聞かれて「可能性はあるが、そうはならないだろう」と述べていた。しかし、政府側は「G7サミットに米大統領が出席しないことなどありえない」と楽観的。

 米誌「タイム」(電子版)10日午前、岸田首相を表紙とする5月22・29日号の内容を掲載した。同誌は「日本の選択」と題し、岸田首相にインタビューし、表紙の顔写真の右下には、「岸田首相は数十年にわたる平和主義を放棄し、日本を真の軍事大国にしたいと望んでいる」と指摘した。11日のテレビニュースは一斉に報道。NHKはやらないかなと思っていたら同日19時ニュースの終わり近くで「岸田首相はタイムのインタビューに応え「日本を真の軍事大国にしたいと望んでいる」と短く報じた。驚いたのは日本政府。その後、共同通信は「外務省が米誌タイムに対して見出しと中身が違っていると異議を申し立てた」と報じた。

 これを受けてか、10日午前の同誌電子版の見出しは「岸田首相が平和主義だった日本を軍事大国に変える」だったが、11日午後の時点で「平和主義だった日本に、国際舞台でより積極的な役割を与えようとしている」に差し替わっている。政府関係者は「修正を求めたわけではないが、見出しと記事の中身があまりに違うので指摘した」と釈明。

 多分、岸田首相は、米国記者のインタビューという気安さもあって本音を吐露したのだろう。インタビューした記者も「タイム」編集部も岸田の最近の変遷をよく理解したからこういう見出しになったに違いない。それにしても日本政府が米の有力メディアに「見出しと中身が違う」などと抗議するのはみっともない話。

 毎日新聞社は11日付朝刊の社告で、朝夕刊セット版の月ぎめ購読料を6月1日から600円値上げし、4900円にすると発表した。朝刊のみの統合版も600円上げて4千円とする。用紙代などが上昇しているため。1部売りは朝刊を10円値上げして160円にするが、夕刊は50円を据え置く。毎日新聞の値上げは2021年7月以来、約2年ぶり。

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