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つみきのいえ(2008)感想: 情報の取捨選択が巧みに光る一作

先日久しぶりにつみきのいえを見ました。10年前にも一度見ていたのですが、やはり何度見てもいい映画ですね。
2008年に公開されたこの短編アニメーション映画は、アカデミー賞も受賞しています。Amazon Primeで視聴しましたが、U-NEXTでも配信中みたいです。15分未満で観終わるため、テレビアニメ1話分よりも短いです。この記事を読む時間でも観れると思います。

おじいさんが落としたパイプを拾いに行く途中で、昔の思い出を懐かしむ。ストーリーは以上です。単純明快、それ以外の話は展開されない。
舞台である世界もなぜ水位が上がっているのか、他の世界はどうなっているのか等は説明されません。主人公のおじいさんからしたらどうでもいいことなのでしょう、他人の考えなど気にしない生き方には少し憧れを覚えます。
本作では会話の音声はありません。音楽と効果音でのみ表現される世界は、街やおじいさんの状況をよそに牧歌的な平和さを感じさせます。

構想を広げていけば、もっと多くの出来事や背景も描けたことでしょう。ただそんな情報を一切必要とせず、おじいさんが生活を回顧する部分のみを表現したのは見事だと思います。これが30分作品だったらきっと冗長だと感じることでしょう。短いながらに観た後に感じ取れるテーマは強く心に残ると思います。

違う映画の合間に観たのですが、こちらの印象の方が強く残ってしまいました。「今までで一番の映画は?」と聞かれたときには答えに窮する人も多いと思いますが、「つみきのいえ」と答えると話も弾むかもしれませんね。また内容を忘れかけた頃に観直したいと思います。

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