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このゲームにこの音楽あり ライセンス曲とゲームの名コンビ5撰


はじめに

ゲームにおいて重要な役割を果たす音楽。主題歌が書き下ろされることもBGMに有名コンポーザーを迎えることもありますが、映画のように元から有名な曲をゲーム内やトレーラーに組み込む場合もあります。

ゲーム用に新しく作曲しないからこそ、どの曲がゲームに合うか、どの場面に合わせるかは開発スタジオのセンスの見せ所です。

今回は自分の記憶に残る名曲とゲームの組み合わせをご紹介します。

①セインツロウ ザ・サード & Power (Kanye West)

オープンワールド・クライムアクション、セインツロウのシリーズ三作目にはカニエ・ウエストのPowerがトレーラー曲に用いられています。

約2分間の映像に、ギャングスタ文化とポップカルチャーの混在、そしてこれから起こるであろう抗争の発端が描かれています。前2作はGTAに似すぎているという批判が起こったこともあり、今作はよりスタイリッシュかつユーモラスに進化しています。前作とのつながりは多少ありますが、プレイしていなくても理解に支障はありませんでした。

「21st Century Schizoid Man」のサンプリングに一番の盛り上がりを持ってきている部分と、ストーリーを進めると分かるキャラクターの登場が予告されている部分が見所です。この曲はトレーラーの他にゲーム内のラジオ、そしてトレーラーのペントハウスを襲撃する場面で使用されています。

余談ですがこのゲームはもう一曲、ボニー・タイラーのHolding out for a Heroが重要な局面で流れます。プレイしてみれば絶対に忘れられない場面で流れるため、初プレイから何年経っても鮮明に思い出せます。

②テストドライブ・アンリミテッド2 & Bang Bang Bang Bang (Sohodolls)

ハワイのオワフ島とスペインのイビザ島を自由にドライブできる画期的なゲーム、テストドライブアンリミテッド2では、洗車場に行くと女性3人がこの曲をかけながらスポンジで車を洗ってくれるイベントが発生します。

B級映画のような小ネタですが、このような細部の作りこみがこのゲームの特色でした。当時としては珍しくアバターの服装や整形、不動産の所有等レースだけでない楽しみ方が複数用意された一作です。

最近シリーズ新作が発売されたようですが、そちらにはこのようなシーンは搭載されていないようです。残念ですがご時世的には当然ですよね。

③ライフ・イズ・ストレンジ & Obstacles (Syd Matters)

自身の遊んだゲームの中で最も深く記憶に残っている作品であり、ゲームが伝えられる物語性を再定義した一作でもあるライフイズストレンジですが、使用されている楽曲はどれもセンスの良い、主人公マックスが好んで聴いていそうなものばかり。

Santa Monica Dreamと悩んだのですが、一曲選ぶとなるとこの曲になります。人によってはこの曲が流れる前にエンディングを迎えてしまうこともありそうですが、だからこそこの曲が流れる頃には感極まってしまいます。

この作品が他と際立っていた部分は、キャラクターと世界観、そしてそれらの関係性の変化がフォーカスされて描かれていた点です。

それまでの海外ゲームには、システムやゲームデザインは素晴らしいが人物や舞台に魅力が無いと感じる作品が多かったのですが、学校と田舎町という閉鎖的な空間を女学生の視点から完璧に表現して見せたライフイズストレンジは、自分にとって唯一無二の体験を提供してくれました。

④コール・オブ・デューティ ブラックオプス & Sympathy For The Devil (The Rolling Stones)

FPSの金字塔COD、その中の一派であるブラックオプスの一作目に当たる本作では、一人用キャンペーンモードでベトナム戦争とその背後にある化学兵器を巡る戦いが繰り広げられます。

この曲が流れるのはラオスの川に沿って戦闘用ボートでベトコン軍を殲滅していくシーン。ゲームの舞台となる1968年は、奇しくもこの曲の収録されたアルバムが発売された年でもあります。

ローリングストーンズの名曲に乗せて機銃やミサイルで兵士を蹂躙する様は、同情と言うよりもまさに悪魔そのもの。立場が変われば描かれ方も変わるのでしょうが、このゲームでは正義は勝った方にあります。

⑤NBA 2K14 & In the Air Tonight (Phil Collins)

スポーツゲームは基本的にメニュー画面の楽曲に流行りのポップスやラップが入ることが殆どなため、このくくりに相応しいかは分かりませんが、一つ挙げるとするならNBA 2K14でしょう。
ゲーム内の選曲はカバー選手でもある「キング」レブロン・ジェームスが担当しており、収録曲は全て彼が自分で選んだものになります。

Nas、Coldplay、Daft Punkと言った有名どころからFly Unionのようなマイナーグループまで網羅するレブロンですが、一際目立っているのがフィル・コリンズのIn the Air Tonight。この曲だけ1984年リリースで、歌い出しまで50秒もかかります、他の曲ならギリギリサビまで辿り着く間隔です。

しかもあろうことか、次世代機版(当時のPS4世代)リリース向けのトレーラーソングにまで採用されています。更に雰囲気もバッチリ合っています。

名曲であるのは勿論のこと、他の最新ヒット曲達と並んで収録されることで違った輝きを見せる素晴らしい選曲だと思います。バスケ界の王様は音楽への造詣も深い。

最後に

ソニックシリーズのように書き下ろしの主題歌や、DOOM(2016)のBGMのようにゲームのために用意されたサウンドトラックも良いものですが、ライセンス音楽にもそれに合った良さがあります。

特にトレーラーとの相性は抜群。多数に向けた宣伝には皆が知っている曲が流れると一気に親しみやすさが湧きます。ライセンスの期限切れで実際のゲームに収録されなくなった場合は悲惨なことになりますが。

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