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【レポート】mederiが高校生男女へ向けた「生理/PMS」に関する講演会を実施

より女性が生きやすく、暮らしやすく、働きやすい社会にむけて。mederiでは、さまざまな年代・性別の方々へ、女性の身体について正しい知識を共有するセミナーを実施しています。今回は、神奈川県立城郷高等学校の高校3年生(男女244名・7クラス)を対象に、2023年10月17日(火)に実施した「生理/PMSに関する講演会」についてレポートします。

実施の背景

今回の講演会に参加いただいたのは、神奈川県立城郷高等学校の3年生の皆さん。ご担当の同校 キャリア支援グループ 青木圭子さんによると、高校3年生へ向けてどのような話をすれば彼らの将来に役立つのかと企画していた時に、これから各々が長い人生を歩む中で、男女が共に働いたり、過ごしたりする時間が今後より一層増えるだろうと考えられたそうです。そこで卒業前に、「女性の体の変化・生理/PMS・妊娠出産などについて知ることは、男女ともに必要なことであり、社会に出た後も役立つだろう」という想いから、今回講演会のご相談をいただきました。

一方mederiでは、高校・大学を卒業し、社会へ出る過程で女性の身体や生理/PMSに関する学びの場は少ないことが、職場における女性の健康課題への理解の進展を阻む要因の一つになると考えています。女性のキャリア、ジェンダー平等などの社会課題を解決するためには、学生へ向けて「女性の健康に関する課題と正しい知識」「性教育」を補う必要性を感じ、今回の講演会を実施させていただきました。

講演会アジェンダ
1. 生理の仕組みと体の変化について
2. 生理やPMSとうまく付き合っていくために
3. 生理やPMSに関するよくある質問
4. 正しい避妊法と性感染症について
5. ライフプランについて考えよう

登壇者プロフィール

郡 詩織/産婦人科医(ゲスト)

メデリドクター産婦人科専門医、がん治療認定医山形大学医学部卒業後、東京医科歯科大学病院、総合病院土浦総合病院、青梅市立総合病院を経験。
mederiではオンラインのピル処方や、妊活サポート事業など幅広く事業に関わっている。

坂梨 亜里咲 / mederi代表取締役(モデレーター)

明治大学卒業後、ECコンサルティング会社を経て、女性向けwebメディアのディレクター、COO、代表取締役を経験。自らの4年に渡る不妊治療経験からmederi株式会社を設立。
オンラインピル診療サービス「mederi Pill」、妊活サポートプロダクト「mederi Baby」を展開。

冒頭でモデレーターの坂梨から、10月19日「国際生理の日」についてご紹介し、女性だけでなく男性も一緒に女性の身体や生理/PMSについて考える機会になればという想いをお伝えさせていただき、講演会はスタートしました。

10月19日は国際生理の日
「National Period Day(生理の日)」は、2019年10月19日にアメリカで制定された記念日であり、多くの人々に「生理」に関連する問題に関心を向けさせることを目的としています。この日を活用して、過去にはアメリカ全土で大規模なデモが実施されたり、世界各地で生理や女性特有の健康課題に関するキャンペーンが展開されたりしています。この日をきっかけに、日本国内でも、長い間タブー視されてきた「生理」についてもっとオープンに語ろう」という動きが広がってきています。

はじめのパートでは「生理の仕組みと体の変化について」と題して、郡先生から生徒たちへ改めて正しい知識を解説させていただきました。「生理」や「生理痛」については保健体育の授業などで聞いたことがある人も多いかと思いますが、特にこれから社会に出る前に知っておいてほしいのが「PMS(月経前症候群)」。生理の3〜10日前くらいから現れる身体面・精神面の不調のことで、働く女性が増えた昨今、社会課題として女性従業員へサポートをする企業も増えてきています。郡先生からその具体的な症状や特徴についてもお話ししました。

続いて、「生理やPMSとうまく付き合っていくために」と題して、学生の皆さんが今日から活かせる、生理とうまく付き合っていくために必要な知識をご紹介。生理やPMSによる不調は、日頃の生活習慣を通して改善できることもあります。「食事の見直し」「適度な運動」「質の良い睡眠」、また医師の診断を受けた上での「低容量ピルの服用」など、すぐに取り入れられる具体的な内容をお伝えしました。

さらに「負担を軽減するために使えるアイテム」として、一般的なものから最新のものまで多様な生理前後に役立つ商品を実際にご用意。ナプキン、タンポン、生理ショーツ、低用量ピルなど、女性はもちろん、男性にもこのような商品を見ていただくことで、生理/PMSに関して身近に考えるきっかけとなることを願っています。

次に「生理やPMSに関するよくある質問」では、「生理痛には個人差があること」「生理前に太りやすい人がいる理由」「PMSの判断要素」などについてもご紹介しました。生理痛に関しては、女性の中でもほとんど痛みがない人もいれば、動けないほど重い人もいます。そのようなことも認識した上で、体調が悪そうな女性がいたら無理しないように配慮をしたり、相手にどうしてほしいかを聞いたりしてあげるなど、気遣うことが大切だと郡先生からアドバイスさせていただきました。

また男性にも女性にも心得ていただくことが重要な「正しい避妊法と性感染症について」もご紹介させていただきました。近年感染者も増えている「性感染(STD)」。性感染症とは、セックスをはじめとする性行為などによって感染する病気で、性交渉の経験がある方は男女誰でもかかる可能性があります。症状が出ないこともあるので、コンドームの着用と定期的な検査は欠かせません。特に感染者数の増加が社会問題にもなっている「梅毒」は、数年かけて死に至ることもある危険な病気です。それらの症状についても解説させていただきました。

最後に、「ライフプランについて考えよう」と題して、自身の身体を知り、将来を見据えたライフプランを描くことの重要性についてお話ししました。学生時代にはあまり意識されない「不妊」や「生殖年齢」。不妊の原因は男女さまざまありますが、5.5組に1組が不妊に悩んでいるというデータがあるなど、いまは当たり前に子どもが生まれる時代ではありません。将来子どもを授かることを希望する・しないに関わらず、男性も女性も生殖年齢を頭の中に入れてライフプランを描くことは、将来、後悔を生まないために大切なことと考えます。

講演会後の声

・澤井桃香さん(高校3年)
(生理の日には)今日はあまりお腹痛くないなと思って家を出た日でも、途中からお腹が痛くなって困ったことがあります。先の症状を読めず、突然痛くなるので、体育のときなどが特に大変です。生理の数日前から体調が悪くなることがあるという話だったので、無理しない程度に過ごせたらいいなと思いました。
また、多くの人が不妊症で悩んでいることに驚きました。(5.5組に1組と)思った以上に多い数字だったので印象に残りました。ライフプランなどは教科書に載っていなかったので勉強になりました。

・笹川虎太郎さん(高校3年)
オンライン診察でピルを処方してもらえる点が画期的で印象に残りました。直接病院へ行かなくてもよい点がいいな、使いやすそうだなと思いました。オンライン診療は今回の授業以外であまり聞いたことはなかったので、今回初めて知りました。

自分のことではないですが、『体調が悪いんだな』と女性に気遣えるようになればと思います。(将来に向けて)子供が欲しいと思ったときに適齢年齢を知っておくと、それまでにパートナーを見つけようと目標をたてやすいのではないかと思いました。

・キャリア支援グループ 青木圭子さん
生理/PMSについて男女共学で一緒に学ぶ意味はすごくあるなと私は考えています。今回の講演会を実施するに際してさまざまな意見がありましたが、実施してみると、やはり「知らないこと」が生徒たちにとって1番良くないと思いました。大人の男性でも生理/PMSについて知らない人もいますし、男性の先生の中でも「自分も知らないので知りたい」「どんな症状なの?」というように、あまり把握していないケースもあります。高校生の段階で、男女共学で生理/PMSについて学ぶ意味はあると思うので、全国の学校でこのような講演会が広がっていけばいいなと思います。

このように、学生時代に男女の壁を越えて生理やPMSに対する正しい知識を身につけることは、社会におけるジェンダーの平等を促進するきっかけにもなると信じています。
mederiでは、今後も様々な年代の男女へ向けて、生理/PMSに対する正しい理解や、ご自身の身体に合わせた選択肢の提供を目指して、女性の健康課題や性教育に関するセミナー活動を実施していく予定です。またオンラインピル診療サービス「mederi Pill」をはじめ、展開する様々なサービスを通して「女性の生きやすさ」の実現を目指してまいります。

mederi Pill(メデリピル)
https://mederi.jp/


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