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人に相談するのが苦手…まずは、もう一人の自分に相談してみよう!

こんにちは。
産業カウンセラーの若林ひろこです。
前回、産業医カウンセラーへどんな相談をしたら良いのか?の一例をお伝えしました。

産業カウンセラーに関わらず、相談職に心の内を話す事で
悩みが解消されたり、メンタルのケアに繋がるので
ぜひ周囲を頼る・相談をする、という事をやって欲しいと思っています。

とはいえ
人に相談するのが苦手。
もしくは相談できる相手が見つからない、というケースもあると思います。

本日はそんな時に役に立つ
自分を相談相手にする方法をご紹介します!

■もう一人の自分を相談相手にしてみよう

何かご自身に悩みがある時
考えれば考えるほどマイナス思考になってしまったり
頭がごちゃごちゃして良い解決策がうかばない人は多いものです。
でも、相談できる相手もいないし…
あるいは、人に相談する前にもう少し自分で考えたい…
そんな時にはもう一人の自分の力を借りる事をおすすめします!

やり方はとても簡単で
・相談者のあなた
・相談にのるあなた

双方の立場から、今の悩みについて「紙に書く」ことです。

■自分の気持ちと距離をとる

自分の悩みだと解決できないのに
人の悩みであれば、アドバイスできるという経験はありませんか?

ご自身の悩みとは距離が近すぎてしまうからこそ
客観的に見る事ができずに
うまい解決策が見つからないという事はよくあります。

そこで「紙に書く」事で、自分の悩みと距離をとる事ができます。

そのうえで
“相談にのるあなた”が
“相談者のあなた”の悩みをどうしたら良いか
まるで大切な友人の悩みを聞くように一緒に考えてみてください。

前回の記事と同じ悩みを使って例をお伝えします。
相談者のあなた:
『今年転職をしたばかりだが、今の職場ではやりたい技術が学べない。また職場の人間関係も良いものとは言えず、再度転職をしようと迷っている』

相談にのるあなた:
そんな状況だったら再度転職したい気持ちにもなるよね。その中で何に迷っているの?

相談者のあなた:
転職してすぐまた転職するとなると、次の転職活動に不利になるし、周りからどう思われるかも不安

相談にのるあなた:
そうなんだね。他に迷う理由はある?

相談者のあなた:
今の職場でも、やりたい技術は行っている検査なので、またくできない訳じゃない。でも先輩が独占していてできそうもない。

相談にのるあなた:
今の職場でもやっている業務ではあるんだ。どうしたらその業務を任せてもらえるかな?

相談者のあなた:
今の職場でまずは信頼を得たらできるかもしれない。まださすがに今すぐやるのは難しいかも。

相談者にのるあなた:
さすがに転職してすぐ未経験の業務を任せられるのは難しいよね。どうやったら今後できそうかな?

このように紙面上で会話い、自分の悩みから距離をとり
あくまで相談相手として一緒に解決策を考えていきます。

コツは自分の悩みと思わずに、自分の大切な友人やパートナーが真剣に悩んでいると思って寄り添う事がポイントです。
一方的な思い込みのアドバイスではなく、どうしたら相手の悩みを本当に解決できるか?
考えながら相談にのってみてください。

他にも
相談者のあなた:今日患者様からこんな事を言われて落ち込んだ…
相談にのるあなた:落ち込むよね。どうしたら言われないで済んだだろうか?対策できる事ってないかな?

相談者のあなた:最近忙しくて自分の時間がとれない
相談にのるあなた:いつも頑張ってるよね。どこか手を抜ける場所はないかな?早く帰るために業務中に片付けも少しずつできたりする部分はないかな?

このように、頭の中だけではぐるぐる解決しなかった事でも
相談にのるあなたからは、良いアドバイスがでてくる事でしょう。

■悩み高い視点から見つめる

また、悩みを紙に書き出す時点で、悩みが軽減するという事もよくあります。
これは、頭の中ではごちゃごちゃしていた事が、書き出してみる事で整理されることが理由です。

“メタ認知”という呼ばれ方をしますが
「自分の認知活動(自分がどう思っているか、感じているか)を高い視点から客観的にとらえること」。
つまり、今対峙している物事から距離をとり客観的に見ることで、冷静な判断や行動ができることを指します。

頭の中にしかなかった悩みを、紙に書いて言語化できた時点でメタ認知できているので、解決に一歩近づいたも同然です。

また、メタ認知能力が高まってくると、紙で会話をしなくても
客観的に考えることもできるようになってきます!
慣れも大切なので、まずは練習で紙に書いて考えていく事から始めてみましょう。

■メタ認知能力をあげると悩みが減る

メタ認知は悩み事に限らず、感情のコントロールにも役に立ちます。
腹がたったりイライラした時に、その感情に振り回されるのではなく
その感情を抱いている自分を認識して、どうしたいのかを考えていきます。

スポーツ選手などは感情のコントロールがプレイの質にもつながるので
メタ認知の訓練をしている事が多いと聞きます。
ご自身の周りに、感情のコントロールが上手いと思う人がいたら
もしかすると客観的に
自分をとらえるのが得意なのかもしれません。

■自分の頭の中だけで考えない

人に相談するという行為も、自分の頭の中にあった悩みを外に出す行為です。
紙に書くことも同様で、狭い頭の中だけで考えていた時よりも、距離をとって物事に向かい合う事ができます。

口に出す
紙に書く
人に相談する
ご自身に合ったやり方で大丈夫です。

どんな方法でも良いので、ご自身の頭の中で抱えている悩みがあったら
まず“外に出す”事を試してみてください。

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