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土の本とメダカ

こんにちは、メダカ飼育担当のメダたんです。
我が家では小さな庭で家庭菜園をしていますが、土作りは完全に家族任せです。とにかく苦手なのですが、そもそも土って何?というのはずっと疑問でした。
土の研究者である藤井一至さんの本を2冊読みました。1冊目は「大地の五億年」。何となく土は無機物という印象があったので、地球の土(土壌)は生まれてからまだ5億年、土壌の定義は「岩石の風化によって生まれた砂や粘土に腐った動植物遺体が混ざったもの」で、生物が誕生してから土壌が誕生した、というのがまず驚きでした。土→生物の順だと思っていたけど、生物→土だったとは。5億年前からの土の歴史と、1万年前からの農業の歴史と、近年の農業事情が書かれています。ハーバー•ボッシュ法、確かに化学の授業でサラッと習った記憶があります。古典的な化学反応の1つだと思っていましたが、近年の人口増加を支える窒素肥料の量をハーバー•ボッシュ法で補っていたとは(窒素肥料には土を酸性化し劣化させるというマイナス要素もあります)。また、農作物を介して窒素やリンなどの栄養分が農地から都市へ持ち出されており(この視点も新鮮でした)、それを化学肥料で補っているが、窒素以外は鉱物由来(窒素肥料の合成にも大量のエネルギーが必要)で、いずれ限界が来るそうです。この解決策の1つとして動物の排泄物があげられています。確かに、メダカ水槽の掃除で取ったメダカ/エビのフンを捨てた場所は雑草の育ちが良い。家庭菜園の畑に捨てるように言われるけど、移動が手間で、ついつい…

土壌が生まれてまだ5億年しか経っていない、というのがまず驚きでした。

2冊目は「土 地球最後のナゾ」。地球には大きく分けて12種類の土があるそうです。土=茶色と思っていましたが、赤とか白とか土のイメージとかなり違う色もあるし、肥沃の程度も違います。日本の黒ぼく土は黒いからチェルノーゼム(黒土)と同じ肥沃な土かと思ったら、違いました… でも比較的肥沃で、明治時代には食料自給率100%で化学肥料なしで3000万人が暮らしていたそうです。
今ある地球の土で農作物の生産量を上げる方法として、貧栄養な土壌でも、足りない栄養分をお金をかけて化学肥料で補った成功例や、お金がなくて化学肥料が買えなくても、その土地に合わせた対応策で現地の人々に喜ばれた事例が紹介されています。一方で、お金がないと、お金を得るために土(砂)を売ってしまったり、土の下の石炭を掘ってしまってもう農地に戻せなくなってしまったり、貧富の差による問題点も紹介されています。本の前半は科学的な内容が多いですが、後半は人間社会の話も出てきて、すごい幅が広い。土の研究は派手ではないけど、飽きることは無さそうです。

土は地味だけどスルメのようにジワジワ面白いと思う。

トップの写真は当時0歳で室内越冬グループにいた、少し背骨が曲がっていて水面のエサを食べるのが上手じゃなくて一番小さかった子です。無事に越冬して春には屋外水槽デビューもしたのですが、長生きはできなくて庭の一角にあるメダカ墓に入りました。ちゃんと土に還ったかな。

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