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【読書】伊藤俊一(著)『荘園』を読んで、「墾田永年私財法」を学ぶ。

日本史と言えば、私は先ず、戦国時代を思い浮かべてしまいます。「本能寺の変」だとか「関ヶ原の戦い」と聞くと、なんだかワクワクします。

平安時代末期から鎌倉時代、鎌倉時代末期から室町時代のように、時代が変わるときというのは、物語りが色々とあって、面白いものです。逆に政権が安定していて平和な時代というのは、あまり面白くありません。

また、奈良時代となると、現実味が感じられなくて、あまり興味が湧きません。そして、「墾田永年私財法」と聞くと、少し難しそうで、聞かなかったことにしたくなります。

「コンデンエイネンシザイホウ」という言葉は、日本史の授業で習ったことは覚えています。何故か、一回聞くと忘れられない言葉です。
漢字を分解してみると、意味が分かります。開墾した田んぼは、永久的に個人の財産になるという法律のことです。
しかしその法律は、誰が、いつ頃、どういう背景で作られたものなのかというのは、よく分かっていませんでした。

伊藤俊一(著)『荘園』によると、「墾田永年私財法」は、聖武天皇の時代に天然痘が流行し、人口が減少したことによって荒廃した農地の再開発や、新たな開墾を促す為に、743年(天平13年)に発せられたとのことです。

「墾田永年私財法」によって私有地を認めたことが、荘園の始まりとなります。
その後荘園は、各地の大名が台頭するきっかけとなる応仁の乱まで続きます。そう考えると、「墾田永年私財法」の発令は、日本の歴史の中で「本能寺の変」や「関ヶ原の戦い」よりも、インパクトの大きいトピックなのかもしれません。


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