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【読書】サトウマイ(著)『レジの行列が早く進むのはどっち』 お金の価値は変わる


お金の価値が変わると言っても、円安とか円高だとかいうことではありません。
インフレだとかデフレだとかいう問題のことを言っている訳でもありません。
考え方の問題です。


損失回避バイアス

誰かに貰って得をしたときの1万円と、財布を落として損をしたときの1万円は、客観的には同じ価値です。
当たり前ですが、どちらも同じ1万円です。
しかし主観的数値は、落とした1万円は2万円以上落として損をした気持ちになります。

損失の悲しみは利得の喜びの倍以上に感じることを「損失回避バイアス」と言います。

会社を辞めてフリーランスになると、年収が100万円上がるかもしれないと言われて、その代わりに100万円減る可能性もあります、と言われると、減る可能性の気持ちの方が強くなります。

100万円減ることは、200万円以上減るという気持ちになるのです。
なので、なかなか会社を辞めることができないのです。


参照価格

商品の値段に、定価とか標準価格とかメーカ希望価格というものがあります。

本来、販売すべきであるそういった価格が、巷では「参照価格」になってしまっています。
標準価格から何度も割引きをして販売していると、割引きをした価格が参照価格になってしまいます。

何れ、標準価格では決して売れなくなってしまいます。
最初は「特別価格ですよ」と販売をしていても、何度も特別別価格をで販売していると、元の値段に戻したときに、逆に値上げをしたと反発を買うことになります。



未来の予測の仕方

営業という仕事をしていると、毎月の中頃を過ぎた頃に、「今月の見込みを出せ」というようなことを言われます。

仮に「100万円です」と答えたとすると、月末に99万円しか行かなかったときに、めちゃくちゃ怒られます。

それが嫌なので、100万円くらいいきそうでも95万円くらいで報告をします。
すると、月末にラッキーパンチ的な注文が入って110万円売れたりします。
すると「見込み」が甘いと言って、やっぱり怒られます。

売り上げというのは、状況が変わるのでピンポイントで当たるはずがないのです。
ピンポイントに当てに行くよりも、大きく外さないことの方が大事です。
ネガティブな数字とポジティブな数字を予測すると、大体真ん中があたりになりやすいということは、統計学的に出ています。

毎月、こんなことにエネルギーを使っている意味がわかりません。
大体100万円くらいということがわかればいいのだと思うのです。
それが50万円しか売れなかったら問題です。
その場合は、その原因を追求すればいいのです。


統計学を知るメリット

統計学を学ぶと、お金の価値というものが理解できて楽しいです。
お金のことに一喜一憂することなく、客観的に考えれるようになります。
お金のことを客観的に考えれるようになると、少しは気持ちが楽になります。






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