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『虎の血-阪神タイガース、謎の老人監督』(村瀬秀信著)を読みはじめる。|岸一郎監督とは?

2024年プロ野球ペナントレースも、いよいよ大詰めを迎えています。
我が阪神タイガースは9月23日現在、残り試合5試合となり、首位ジャイアンツとのゲーム差が2ゲームと、かなり厳しい状況に立たされています。

そんな盛り上がっているプロ野球中継を見終わった後に、村瀬秀信(著)『虎の血-阪神タイガース、謎の老人監督』という本を、読み始めています。

阪神タイガース、岸一郎監督について

歴史のある阪神タイガースに、岸一郎という監督がいたことをご存知でしょうか。
岸一郎氏は、1955年(昭和30年)に、大阪タイガース(現・阪神)の第8代監督に就任しています。
就任当時の年齢は60歳でした。

現在の60歳は、まだまだ若いイメージがありますが、当時の男性の平均寿命が63.6歳だったことを考えると、立派な老人です。
岸一郎氏は、60歳になるまで福井県敦賀市で農業をして暮らしており、プロ野球経験は皆無でした。

そんな老人が、阪神タイガースの監督になったきっかけは、オーナーへの手紙です。

岸一郎氏は、「自分を監督にしてほしい」とタイガース再建論を書いた手紙を、当時のオーナーである野田誠三氏に送ったのです。
その手紙が、オーナーの目に留まったのでした。

そうやって監督に就任した岸一郎氏ですが、監督生活はわずか2ヶ月間で、33試合で休養となり、そのまま復帰することはありませんでした。
実際には、選手からの総スカンだったのですが、会見で発表された休養の理由は「痔の悪化」でした。

『虎の血-阪神タイガース、謎の老人監督』について

こんな話を聞くと、フィクションだと思うかもしれませんが、事実なのです。

古くからの熱狂的な阪神ファンに岸一郎監督のことを聞いても、「誰やねん、それ」で終わる人がほとんどだと思います。

実際に、日本野球機構の公式ホームページで、阪神タイガースの年度別成績を検索してみると、1955年の監督の欄に「岸・藤村」と記載されています。
岸とは岸一郎氏のことで、藤村とは初代ミスタータイガースこと藤村富美男氏です。

『虎の血-阪神タイガース、謎の老人監督』の著者、村瀬秀信氏は、そんな岸一郎氏についての謎を解き明かしていきます。
実際に、岸一郎監督の元で現役選手だった、吉田義男元監督にもインタビューをしています。

そして、阪神タイガースという球団の名物ともなっている、人事を巡るお家騒動についても深掘りしていくノンフィクション作品です。

今から70年も前の事実なのですが、当時の血が、今も阪神タイガースには脈々と引き継がれているのです。

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