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【読書】原田マハ(著)『常設展示室』を読書中。〜群青 The Color of Life〜

私が初めて美術展に行ったのは、昨年、国立新美術館で行われた、『メトロポリタン美術館展』でした。

そこで生まれて初めて、本物の西洋画を見ました。
ベラスケス、カラバッジョ、ラ・トゥール、クールベ、マネ、ルノワール、モネ、ドガ、ゴーギャン、ゴッホ、セザンヌ・・・・。
実際に見る絵画は、本やテレビ、パソコンやスマホの画面で見る絵画とは全く違う、別物でした。

国立新美術館は、企画展を専門に開催する美術館であり、コレクションを所蔵していない為、常設展というものはありません。
私が、常設展で一番充実している思うのは、国立西洋美術館です。
企画展を見なくても、常設展だけなら料金は500円です。
ワンコインで思う存分、本物の美術を楽しむ事ができます。

美術館に行くようになってから、原田マハさんの小説を、楽しんで読ませていただいています。
画家のことや美術作品のことを、物語として文字で読むことによって、絵画の見方が変わってきます。

正しい美術品の見方なんていうものは、ありません。
マナーさえ守れば、人それぞれ自由に見ても構わないのです。
何か考えながら見ても良いし、ぼーっとただ見るだけでも構いません。

原田マハさんの小説を読んでから美術館に行くと、作品の前で何か考えたくなります。
絵を描いた作家の気持ちになって考えてみたり、肖像画のモデルの気持ちになって考えてみたりします。
描かれている水差しの中には、何が入っているのか考えて見たりもします。
そうやって作品を見て回ると、あっという間に2時間も3時間も経ってしまっているのです。

話は変わりますが、私は、人間ドックを受診すると、いつも眼圧が高いと診断されます。
昔からド近眼の私は、緑内障が発症するリスクが高いのです。
緑内障は、知らない間に視野が欠けていく恐ろしい病気です。
緑内障が発症する大きな原因は、加齢です。
早期に発見し、治療することが大事なのですが、視野が欠けているのを、人間の脳が補ってしまうため、気付くのが遅れるのだそうです。
そう言うこともあって、私は、半年に一度、視野検査を受けるようにしています。
幸い今の所、緑内障は発症していません。

万が一将来、緑内障が発症して、視野が欠けていったとして、私の脳は欠けている部分を補ってくれる筈です。
その時、美術作品を見て、私の脳は
どの様に補ってくれるでしょうか。
実物とは、全く違った作品に見えてしまうかも知れません。
そんな事を考えると、歳をとって仕方なく病気になったとしても、少しはポジティブになれる様な気がします。



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