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【読書】高野秀行(著)『アジア新聞屋台村』を読んで、外国の方とお話しをしたくなる。

高野秀行(著)『アジア新聞屋台村』は、2006年に、集英社から単行本で発売された作品です。
作品の中に、民主党の陳水扁が総統選挙で勝利する話が出てきます。これは、2000年3月の出来事です。

台湾は、この政権交代によって、民主化が大きく進み、経済成長を実現させました。その反面、中国との関係は悪化していきます。
24年経った現在、台湾の半導体メーカーが、熊本県に巨大な工場を建設しています。そして、中国と台湾の緊張は高まったままです。

2000年頃と比べると、日本国内では外国の方がたくさん働き、暮らしています。観光に来られる方も、考えられないくらいの人数になっています。
その割には、私は、外国の方と話す機会はほとんどありません。
コンビニや居酒屋で働く外国の方と接することはあっても、お互いのことを語り合うようなコミュニケーションをとったことはないのです。

日本語しか話すことができないことに、原因があるように思います。
外国人アレルギーというよりも、外国語アレルギーなのです。
世界共通語である、英語すら話せないことに、後ろめたさがあるのです。

日本で暮らしていると、英語を覚える必要がありません。何の苦労もなく生きていけます。
とはいえ、外国の方がこれだけ多く身近にいるのだから、もっとコミュニケーションをとっていくべきだと思っています。
しかし、その機会がなかなか訪れません。
外国の方どころか、日本人同士でさえ、関係が希薄になっているようなところもあります。

高野秀行さんの本を読んでいると、テレビでのニュースや新聞では実感できない、市民の生々しい感情が伝わってきます。
何故、高野秀行さんの周りにこんな楽しい人たちがいて、面白いことが起こるのかと考えると、きちんと対話をしているからです。

私の周りにも、楽しい外国の方がいる筈です。対話をしないから気づいていないだけなのです。
『アジア新聞屋台村』を読んでいて、人種とか民族とか関係なく、いろんな人と会話をしてみたくなりました。

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