《企画/ショートショート》全力で推したいダジャレ
「やだ!どうぶつえんがいい!」
「どうぶつえんがいい!」
奮発して取った星付きホテルの客室に、二人分の泣き声がこだまする。暴風雨に荒れる絶景を横目に立ち尽くしていると、夫が「やっぱり臨時休園だって」と携帯片手に戻ってきた。今日は子どもたちの希望で、動物園の一日ツアーを予約していたのだ。代替案の屋内プールはぞうさんの魅力には及ばないらしく、並んで泣き続けている。
初の家族旅行を、楽しい思い出にしてあげたい。なだめるべく子どもたちの目線にかがむ--と、同じくかがんだ夫が前