アイディアフラッシュ 〜これできるの?〜
映像コンテンツには様々なジャンルがあるけど、ゲーム性のあるものはちょっと特殊で、一般的なデザインって範疇より大分ハミ出ることになる。その理由は、参加者の運動能力や知力・運などを、作られた装置上で見せていかなくてはいけない為に、ただセットの見た目が良ければそれで良し...ということにはならないから。
では普段と何の違う要素が入ってくるかって言うと、それはプランニングからモノが出来上がるまでの途中過程で、シュミレーションという予行演習が重要な要素として加わること。
このゲームは簡単にクリアできすぎないか? もしくは難しすぎないか?
参加者が面白くとも、見た目が面白くみえるのか?
機構が必要な場合、よりシンプルでトラブル回避しやすいか?
そして一番重要なのは安全が担保されているかどうかで、老若男女、スキルの有無や体力の個人差等を勘案し、それに関わる全ての人が怪我をしないように実際のものと同じ機構を持つ装置を仮組みしシュミレーションを繰り返していく。
その上で必要な改修を繰り返し万全の状態に持っていくのですが、根本的にダメでボツになる可能性も結構ある。
知恵を絞るだけ絞ったところでも、やっぱり予想できない何かが起こったりするので...残念ながら。
だからこのジャンルには装置における色んな分野の人間が経験値の全てを持って関わることになっていく。何も分からない人だけが集まって創作するには、あまりに危険なジャンルだから。見た目簡単そうに見えてても、人はちょっと転んだだけで怪我しちゃう可能性があるので、そのあたり慎重にやってきます...もちろん機能だけじゃなく映像内のことだから遊びココロも加味して、行ったり来たりしながらね。
さて、そういったコンテンツのアイディアフラッシュは以下な感じ...
こんな感じでバラエティゲーム的なものばっか貼りましょう。パッと見た目で分かりやすいのを中心に。
制作・演出サイドから渡される、文章で説明の入ったアイディアプリントや打ち合わせ時に口頭で盛り上がった内容に対して、こういったスケッチでどんどんビジュアル化していき、前述のような様々な要素をクリアできるのか脳内シュミレートする。
やはり絵にすることで、初めてみんなの頭の中に統一見解が生まれるんで如何に『らしく』見せられるかがポイントとなる。ビジュアルとしてツマラなそうだったら、そもそもやる必要性もない訳で。
ビジュアルだけでなく内容によって使う素材も考えていく。
ゲームを成立させる為に必要な素材や、安全に絡んだ素材をどう配置していくかなど、現実に促したものを適材適所に。そのあたりは平面図を描きながら大凡の経験値ですすめ、実際の距離感などは検証してから客観的な判断をする。
どういったことがしたいのか?何ができるのか?
考えだけが先に進んだり振り出しに戻ったりするんだけど、最終的に責任を持って実行できるものを考えるのがデザイナーの役目。
ゴキブリ取りの中身に自分が入ったらどうなる?
そんなこと想像しながら、ビジュアル化をすすめる。
水・粉・ローション・とりもち等のヨゴシものからウレタン・低反発材等の安全担保素材...どれをどこに配置する?
見た目に関するのは、木質パネル・スチロール造形・アクリル・電飾など素材のオンパレード。アレをこう使おう、コレはこう作ろう、なんて考えながら絵に落とし込んでいき、何となく楽しそうなイメージがアイディアフラッシュで作り上がれば自分的にも満足。
見た目と内容に必要な機構のバランスは大事なこと。それによってスタジオに収まるかどうかが変わってしまう可能性があるから。
水槽やベルトコンベアー、ターンテーブルなど機構が絡んでくるものは気を付けないといけない。挟まれたり吹っ飛ばされたり可能性が高いので。
なので、それらの緩衝材を敢えて汚れものにしたりするなど、ビジュアルに置き換えるのが一石二鳥の常套手段だったりする。
散々こういう色んなものを考え、絵を描き、シュミレーションを繰り返し、完成系を作る。大変な作業だけど反復されたものは全てノウハウという自分の財産になっていくから、それが次に生かされ無駄も無くなっていくことで作業が早くなる。
結果として、得た経験値が更に新しいことへチャレンジする土俵を作ってくれる。これらのアイディアフラッシュは次に繋がるステップみたいなもの。
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