脱出

自動ドアが開いて僕は外に出た。

すでに太陽は沈んでから数時間経過した様子で、真っ暗だ。

目を凝らすと先に脱出した人が先を歩いているのがみえた。

肌寒い。

夏も終わりのようだ。

そうだ、マスクを外そう。

耳からマスクの紐を外して息を吸う。

草の香りが体を満たしていくようだ。

そうだそうだ、こんな匂いだ。

未曾有のウイルス災害以降、僕らはマスクをしなければ生きていけない。

シェルターから10時間ぶりに出てきたのだ。

少しはマスクを外してもバチは当たらないだろう。

僕は開放されたのだ。

自由に息だっててきる。


そんな妄想をしながら退勤。

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