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「氷点の水底」再開したぞ~

こんにちは目箒です(ちょっと冒頭を書き換えたよ)。

これをね、やっと続き着手できたんですよ……(前回はこちら)。
要するにコメントがなくて飽きたわけなんですがこう言うときは無理に書かないのが吉なので普通に放り出して他のことしてました。

で、やっとやる気が出てきたので着手したら第三部が普通にできあがったので更新再開しました、という話です。第四部は一文字も書いていないのでまた飽きて多分秋くらいに(生きてれば)更新される。
※なおあまり教育によろしくないので気持ち的にR15くらいでいてください。

世話焼おじ……お兄さん中堂

前回小田桐の豚汁の材料を買いに行くとかそう言う話だった気がするんですが、豚汁が美味しいと言う話から始まっているのでそれで間違いなさそうですね。

 小田桐の作った豚汁は、中堂にはとても美味しく感じられた。味噌はいつも自分が使っているものだから、味の違いは味噌じゃない。
「味付けどうしてるんですか?」
「味噌ですよ。ああ、出汁の味が濃いですか? うちの味噌汁って出汁多めなんですよ。顆粒出汁をちょっと多く。中堂さんはあんまり出汁使いませんよね?」
「使わないですね。ちょっと頑張ろうと思って煮干しは買いましたが、使わないで駄目にしましたね」
 どうせ味噌汁なんて、味噌味のお湯に具が浮いていれば良いのだ。前に使って、中途半端に開いているスティックがあった筈だが、あれを使ったのだろうか。

使いました。
ちなみに我が家にもしょっちゅう開いた顆粒出汁のスティックがあるので私が使い切っています。

「これは……お弁当に持って行きますか?」
 汁物も入るタッパーなら用意がある。
「スープジャー買ってこようかなぁ」
 小田桐が汁椀から口を離しながら言った。ああ、最近はそう言うものがあるのか、と思っていたら、小田桐の舌がぺろりと口の周りを舐めるのを見て、背筋に衝撃のようなものが走る。
「どうしたんですか?」
 視線に気付いたらしい小田桐がこちらを見た。いつものきょとんとした顔だ。
「なんでもありません。口の周り気になるならティッシュ使いなさいよ、行儀悪い」
「段々世話焼きおじさんみたいになってきてませんか、中堂さん」
「おじさんって言うな、まだお兄さんだ」
 42歳というのは実に微妙な年齢である。抗議を受けると、小田桐は律儀に、
「世話焼きお兄さん」
 言い直す。それを聞いて、中堂はがっくりと肩を落とした。
「……おかしい、私は別に下宿先の大家ではないのに……」
「俺、職場で中堂さんのこと、下宿先の大家さんって言ってますよ」
「まあ、対外的にはそう言うしかないですよね。セフレですとは言えないでしょう」

42歳はお兄さんだ!!!!! わかったな!!!!!

この辺でちょっとこう、中堂さんが段々小田桐くんにはまっていく様を演出しています。

素直な気持ちが足りてない

 小田桐は結局、豚汁を持って行くことにしたらしい。これとご飯だけでは足りないだろうが、メインは買い足すと言う。いつも中堂が持たせる弁当は何かが足りない。
「でも、肉系買うだけですから、ほんと助かってます。ありがとうございます」
 心からそう思っているのだろう。台所で豚汁をタッパーに詰めながら、逆に恐縮したように小田桐は言った。中堂も洗い物をしながら、
「またハンバーグ作ってあげますよ」
「牛肉高くないですか?」
「合い挽きにします」
 そう言って口角を上げて見せると、小田桐も笑った。その顔を見ていると、ふとこみ上げるものがあって、中堂は手を止めた。

中堂さんが小田桐くんにあげるものにはいつも何か足りないんですよ。それは……。

君が好きという素直な気持ち。

いやマジで。

この後台所でいちゃいちゃしてたんですけど水出しっ放しに気付いて中断して気まずくなって~~~みたいな感じになります。

中堂さんは小田桐との関係をあんまり深めたくないのですが、小田桐の方はこの関係に順応しようとしているので(変な方向に真面目さを発揮している)、翌朝、

 翌朝、出勤する小田桐を玄関まで見送った。一夜明けると、気まずさは少し薄れた。平日の朝食はいつも慌ただしいから、会話が少ないことも気にならない。
「ほら、お弁当忘れてますよ」
「あ、すみません。ありがとうございます」
 玄関を開ける。自転車通勤で、そんなに早い時間に家を出ない小田桐を見送ると、太陽は少し高い。
「では気を付けて行ってらっしゃい」
「はい」
 小田桐は頷くと、周囲を見回した。眼鏡を掛けたスーツの男性が自転車で通り過ぎる。それを待つと、小田桐は一歩、中堂に近づいた。背伸びして。頬に唇を当てる。
「行ってきます」
 そう言って、彼は慌ただしく自転車を出して走り出した。残された中堂は、ぽかんとしてそれを見送る。
 触られた頬が熱い。
「……君って奴は……」
 そのまま、玄関先にしゃがみ込んだ。

こうです(こうです、ではない)。

ということで今回の更新分では深まりつつある二人の関係、その端緒を描写しました。次回も似たようなことしてます。

ごきげんよう。


これはとても真面目な話ですが生活費と実績になります。