ソラを見上げて #30.1 見届ける者達
(2025年4月某日……)
―仙台・XX墓苑―
(井上小百合と衛藤美彩が墓石に手を合わせている)
衛:もう三年経つのね。
井:これからって時だったのにね……
衛:久保ちゃんのお葬式に出るなんて、夢にも思わなかった。
井:夢どころか、私は今でも信じられない。いつか、ひょっこり楽屋の扉を開けて会いに来てくれるんじゃないかって思っちゃう。
衛:さゆは特別可愛がってたものね。
井:美彩さんだって……
衛:そうね……『学校行きたくない!』って楽屋で駄々こねてたのが昨日