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「日本地図クイズ ~ 小学校時代の思い出」

 小学校3~4年のときの担任の先生は、少し変わった先生でした。分裂気質で機嫌の良し悪しの差が激しかい人でしたが、着眼点が面白かった。

 「むやみに努力してもしょうがない。怠けることも大事なんだぞ。怠けるために工夫をするから、発明につながる」

 「準備だけ一生懸命にやってもダメなんだ。細工は隆々、仕上げは失敗、ではしょうがない。石橋を叩いて渡るという言葉どおり、叩いてばかりじゃ意味が無い。渡る勇気が必要だ」

 などと、ちょっと捻った言い方をするのが好きでした。

 ある日、その先生が、生徒1人1人に、社会科のクイズを考えさせました。昔「20の扉」というクイズ番組がありましたが、それを真似て、ある県に当てはまる条件を1つ1つ挙げてゆき、誰が1番先に当てるかを競うもの。

 生徒は大したクイズを考えつきませんでしたが、その先生が出したクイズには、生徒全員みごとに嵌められました。

①その県には、2つの大きな半島があります。
②その県は、2つの県と接しています。
③県境には国立公園があります。
④その県の県庁所在地は、県のほぼ中央にあります。
⑤その県は、日本本土を構成する4つの島のうちの1つで、その島の南か北の端っこにあります。
⑥2つの半島が囲む湾のほぼ中央に、小さな半島が突き出ています。

 皆が、自分たちの住む鹿児島県だと思いましたが、先生の答えは、
 「ほかにもうひとつあるぞ」
 しかし、誰もが、最後まで鹿児島県以外に考えつかず、完全正解者は出ずじまい。
 全員騙されているような気分になりかけましたが、散々頭を悩ませた後で、先生の口から正解が発表されました。

 答えは青森県。

 青森と鹿児島、実は、地理的な特徴が良く似ています。以上の6つの条件に当てはまる県は、この2県を置いて他にありません。

 2つの県は、他にも似ている点があります。

 47都道府県中、人口は鹿児島県が24位、青森県が28位と近い。人口密度も35位と40位と、ほぼそのままの少差でずれ込む。
 
 もう1つ大きな特徴があります。話し言葉のイントネーションです。

 コテコテの津軽弁と薩摩語では、もちろん全く似ても似つかないのですが、全国共通後で書かれた文を、それぞれのイントネーションで読み比べると、区別が付かないぐらいよく似ています。
 そのことは、長野県に住んでいたころ、青森出身の友人と実験済みです。

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