「夜のりんご畑で ~ ある知り合いの方から聞いた素敵な話」
まだ僕が長野県に住んでいた頃、知り合いの男性と一緒に酒を飲んだときのお話。
3歳年上の中学校の音楽の先生だった。飲み屋のカウンター席に並んで、27歳の頃のこんな体験について話してくれた。
― ある夜、りんご畑の横を歩いていると、月明かりがあたりを照らし、その光の中で見えるものが勢いよく目に飛び込んできた。月の光が地上を照らし、その光が自分の目に跳ね返ってくる。この世のすべてと自分との繋がりを感じ、感動の涙が溢れてきた。自分が何を感動しているのか良く解らない。しかし、外