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手鏡 おひや
2021年10月16日 20:38
目を開けると、所狭しと並んだ屋台と、それに並ぶ色とりどりの浴衣が視界に入った。 どこか懐かしさを纏わせた祭囃子の合間を縫い、聞き覚えのある声が耳へと流れ込む。「ごめん、お待たせ、かき氷。パイナップルとかあったけど、いちごで良かった?」人混みをかき分け、両手に持ったかき氷を私の前に差し出す。人懐っこいその笑顔は見覚えがある。「……石井くん」そうだ、彼は石井くん。友香たちのおかげ