見出し画像

学びを設計する ~半年間オンライン授業を受けてみて~

立教大学経営学部のBLP(ビジネスリーダーシッププログラム)のオンラインでの取り組みについて紹介されたwebinarに参加しました。

舘野泰一先生、田中聡先生の2時間半にわたるレクチャー、本当に感動!

データとして、昨年と今年とで比較してオンラインで提供しても学習効果が下がらないこと、一体感がうみだせること、リーダーシップ発揮の結果がだせることが示されていました。

私自身も、コロナ禍でもろにオンライン移行の打撃を受けて、今年の3月、私が通うコロンビア大学はすべての授業がオンラインとなりました。

2月に書いた記事がこちら↓

まさかこの数週間後の3月には自分もオンライン一色になるとは夢にも思っていなかったけれど。

そして、秋からはハイブリッドで対面+オンラインが組み合わされて授業を進める大学が大半を占めるなか、私が通う教育大学院だけは「秋もフルオンライン!」と貫き通しました。

最初はもちろんとても動揺したけれど、春、夏とオンライン授業を受けてきて、実はオンラインの魅力をとても感じています。

そこには、先生方、TAさんたちのとてつもない努力があるからだなぁと。

今日のwebinarにもあったように、創る側のことって本当に見えにくい。

でも、提供された授業を受けてみるとどれだけ先生やTAさん達が時間をかけて綿密に授業を設計しているかが真摯に伝わってくる。

その先生達の一生懸命な取り組みがあるからこそ、オンラインに移行しても私は正直クオリティにはとても満足しています。

この記事では、実際に私が受けたなかでの「こんなことがよかった!」という授業設計の工夫をまとめてみました。

世界のどこからアクセスしてる?

日本だとあまりないかもしれないけれど、留学生が大半を占めるアメリカの大学院ではこのコロナ騒動で私のように母国から受講するひとも多い。

授業開始前に、この世界地図に書き込めるようなプラットフォームを提供されて、自分がどこからアクセスするのかピン止めをすることができます。

画像1

そうすると、クラスメイト達が世界のどこからアクセスしているのかがわかってインストラクターは時差を考慮して対応できるし、学生側もみんなこんなところからアクセスしてるんだぁとわかっておもしろい。(実際に授業が始まったときに話しのネタにもなる)

教授からのウェルカムビデオ

秋学期の授業のシラバスが続々と公開になり、そのなかで一緒にくっついているのが教授からのウェルカムビデオ。

画像2

画像3


オンラインだから結局一度も教授と対面で話すことなく授業を受けることになる。。

どんなひとなんだろう、怖いかな、威圧的かな、という心配が一瞬で吹き飛ぶのがこのウェルカムビデオ。

先生がどんなことをこの授業に求めているか、どんなクラスにしていきたいかなどの思いを事前に知ることができるのはとても嬉しいし、気持ちがあったかくなる。

そしてなにより、先生がここまで私達のことを思って時間をかけてくれている、という事実が学ぶモチベーションにも繋がる!

事前の自己紹介

クラスメイトとももちろん会えないので、もともと知っている場合はいいけれど新入生も秋からまざってくるとはじめましての割合が圧倒的に増える。

そのため、多くの授業では事前に自己紹介のプラットフォームが用意されています。

実際にあったのは

・「あなたを一言で表す言葉」を紹介する1分のビデオを撮ってアップロード

・「あなたを表す写真」とともに自己紹介文をアップロード

など。

会ったこともないクラスメイトだけど、動いているビデオや写真や言葉選びをみるだけでなんとなくその人物像が浮かび上がってくる。

画像4

私の自己紹介はだいたいこんなかんじ。

添付する画像は覚えやすいように、浴衣の写真かナース服の写真を使うようにしている笑

綿密に設計されたモジュール

モジュール」という言葉、なかなか聞き慣れないけど「工学などにおける設計上の概念でシステムを構成する要素となるもの」みたいな意味。

つまりは授業を構成するひとつひとつの細かい要素が書かれたもの。

画像5

こんなかんじで、授業に使うパワーポイントとzoomリンクとともに各授業もう12月まで全て公開されている。

たとえば、すでに公開されている秋学期にとる組織心理学の授業のModule 1をみてみると

画像6

初回では授業の課題についての説明やお互いを知るための自己紹介のワークショップだったり組織心理学のイントロについてやりますよ、っているアジェンダが事細かに書かれている。

これはコロナ前もそうだったんだけど、オンラインになってからより一層この事前にすべて書かれていることのありがたみを痛感するようになったなー

学生全員との1:1のオフィスアワー

これはきっと夏学期にとった先生のキャパがすごすぎただけだけど、学生全員と1対1でミーティングできる時間を設けてくれた。

これは本当にすごすぎた。

私も30分くらい想定していたのが1時間しゃべっちゃって、あちゃー申し訳ないななんて思っていたけど、後でクラスメイトに聞いたら「わたし1時間半話しちゃった」とかいうから本当にこの先生がすごすぎた。。

でも、前にも増してオフィスアワーがフレキシブルになって、1:1でzoomをしてもらえるハードルがすごく低くなった気がする。

BLPのウェビナーでは、学生のアンケートで「自分から教授に積極的に質問をしにいく」という項目がオンラインになってから下がった、というデータがあったのだけど、インストラクター側がどれだけオフィスアワーあいてるからね!と強調できるかが鍵になるのかな。

制約のなかで最大限できることをチャレンジする

オンラインに変わって、学費を減額しろ!という運動をあちこちみかける。

うちの大学でもあったけど、この前大学側から正式に「学費はカットしません」とアナウンスがあった。

でも、そりゃそうだよ、と私は思う。

これだけの制約のなかで、私達のためにここまでやってくれて、3単位で50万越え払っているけど、減額してほしいとは思ったことがない。

BLPのウェビナーでも舘野先生が「制約のなかでチャレンジしつづける」とおっしゃっていたように、

学びを止めずに続けられる有り難みをひしひしと感じる。

受ける側には、設計されている先生やTAさんたちの努力は本当に見えにくい。チャレンジしていろいろな取り組みをしてくれることを本当に感謝しないとな、と改めて感じることができました。

そして私自身も、この激動の時期にオンライン教育を受けた経験を必ず次に活かしていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?