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E資格2022#2合格体験記

今回は、日本ディープラーニング協会(JDLA)の深層学習エンジニア資格である、E資格の合格体験記について書こうと思います。これから受験される方の少しでも参考になればと思います。

まずは自分のバックグラウンドから・・・

自分の職業は医師です。2005年に医学部を卒業し、長年臨床に従事してきました。
2020年に出身大学がヘルスデータサイエンス専攻の大学院を開設したのを機に、研究デザインや生物統計学を学び、自分で主導の臨床研究を行いたく入学しました。その中で、RPythonを学ぶ機会がありました。まずは環境構築につまづき、そしてそれぞれの言語の文法やお作法につまづき、完全に挫折コースでしたが、持ち前の負けず嫌い魂に火が点き、夏休み中にTechAcademyPythonコース/データサイエンスコース/AIコースを何とかコンプリートしました。PythonやAIに触れるきっかけとしてはとても良かったと思います。

せっかくひと通り学んだのだから、何とかアウトプットしたいと思い、次に大学院の春休みに資格試験を受けまくりました。いずれも試験勉強2週間ずつで何とか合格できました。
・Python3エンジニア認定基礎試験
・Python3データ分析試験
・統計検定2級
・JDLA G検定 2021#1

この、最後のG検定に合格したことで、当初は受けるなんて夢にも考えていなかったE資格の受験を考えるようになりました。

E資格とは??

JDLA(日本ディープラーニング協会)のサイトには"ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定する"とあります。
つまりG検定が「ディープラーニングをどのような場面で使うか」などの能力に重きを置いているのに対し、E資格は実際にディープラーニングを課題解決のために実装する、エンジニア向きの資格だと言えます。人工知能・機械学習・深層学習を学ぶ人にとっては大きな到達点と考えられます。

挫折、そして・・・

さて、E資格対策の認定プログラムは、無料講座もあれば、数十万もかかる講座まで全部で20近くあり、どれを選んだらいいかわからないと思います。

自分は、2021#2の合格を目指し、最初に比較的お手頃なプログラムを選択し、学習を進めました。
講義動画を見て、「ゼロから作るディープラーニング」を片手にコーディング演習を進めていきました。この「ゼロつく」が、深層学習フレームワークに頼らず、文字通り自分でゼロからディープラーニングのモデル構築を行っていくという、基礎的なようで、心してかからないと恐ろしく難解な内容となっています。

何とかコーディングできたものの、「なぜそうなるのか」に関して質問する機会が取りづらく、質問や学習に関するメンタリング機会があまりない、などの理由で徐々に挫折をしていくようになりました。最終的には2021年8月のE資格受験を諦めてしまいました。

キカガクの長期コースに入会

一時期はE資格受験はもう完全に諦めていましたが、ディープラーニングを学びたい気持ちは持ち続けていました。
そんなとき、以前に入会していた日本メディカルAI学会の認定講座として視聴したキカガクの「脱ブラックボックスコース」が非常に分かりやすかったため、興味を持って説明会に参加しました。

E資格取得を目的としたコースではないのですが、AI実装を自走できるようになることを目指したコースとなります。最終的には自作のWebアプリケーションを作成することが修了の要件となります。
最初は受講料に目玉が飛び出そうになりましたが、よく考えると半年かけてじっくり学び、かつ修了要件を満たせば最大で70%還付されるので、悪くないと思いました。またキカガクは教育体制がしっかりしており、とにかく「教える」ことに重きを置く方針で、これなら挫折せずに済むのでは?と思い、一念発起して入会しました。
今回はE資格がメインの話題なので、詳しくは端折りますが、とにかく半年間、コースの仲間や講師の方々に本当にお世話になり、無事修了できました。

E資格合格のためにやったこと

①キカガクのE資格対策講座・E資格対策テスト

キカガクの長期コースを修了したのが2022年3月で、いよいよE資格の受験に向けて準備を始めようと思い、キカガクのE資格対策講座とE資格対策テストに取り掛かりました。こちらは長期コース受講生はこの講座を受ける資格が与えられます。
E資格対策講座は、手書き講義が中心ですが、全てノートに書き写し、何度も読み返しました。E資格対策テストに合格すると、E資格受験のための認定が得られます。

②黒本

通称「黒本」と言われる対策本。G検定の黒本が分かりやすかっただけに、E資格も同じく…と思いきや、メチャメチャ難しかったです。一応2周くらい通しで解きましたが、やればやるほど自信を失うためコーディング問題の実装に留めました。

③ゼロから作るディープラーニング

バイブルというべき本ですが、一通り学んだ後に読むとめちゃめちゃ分かりやすい良書です。しかし、実質的には読み込む時間はなく、1回通しでさらっと読んだだけに止まります。
特に最適化手法の部分は解説・コードともに分かりやすく一読の価値ありです。

勉強時間・期間

勉強期間は4月〜8月の4ヶ月間
7月まではキカガクの対策講座を、残り1ヶ月あまりで黒本を中心にやりました。
勉強時間は平日毎日1時間、週末は2〜3時間でした。
全部で100〜120時間くらい勉強しました。
おもに上記①②のに大半の時間を費やしました。
また新シラバス対策は、正直あまりしていませんでした・・・。

E資格試験本番

E資格試験はCBT形式となります。事前に予約したCBT会場で、120分間で全部で100問程度の試験となります。試験は主に
・応用数学
・機械学習
・深層学習
・開発環境
を問う内容となります。特に、2022#2から新シラバスで、深層学習フレームワーク(TensorFlow or PyTorch)を用いた実装問題が出てきます。
また、詳しくは書けない(というか覚えていない)のですが、新たにシラバスに加わった分野(距離学習、メタ学習、エッジコンピューティング)がめちゃめちゃ出ましたので、黒本だけの対策は要注意です。認定講座での学習が必要です。正直、出来は全然自信ありませんでしたが、この試験勉強をもう1回やるのもしんどいので、受かっても落ちてもこの一発勝負でした。

結果

受験から約2週間後(8/28受験、発表は9/16)、メールで結果が届きました。
結果は・・・合格していました!

開発環境と、あんなに勉強した深層学習がイマイチでしたが・・・合格は合格。これでもうE資格対策勉強はしなくて済むと思うと嬉しかったです(笑)
合格率は例年7割くらいだと思います。合格ラインはtwitterで合格した方の得点率を見る限り6割くらいでしょうか?

最後に

E資格はあくまで最終目標ではなく、ひとつの通過点ではあるのですが、ひと通り機械学習や深層学習について(実装を通じて)学べる良い機会、良い資格だと思います。
そのためにも、どの認定講座を受けるかが非常に大事だと思います。
とにかく大事なのが、わからないことをしっかり相談・教えてくれる講師やサポート体制や、一緒に勉強できる仲間の存在だと思います。自分にはキカガクが一番合っていましたが、人それぞれだと思うので、実際に受講した人の口コミなどの情報を集めまくって決めるのが良いのではと思います。もちろん最終的には自走できることが最大の目標ですが。
あまり参考になっていなかったら申し訳ありません。E資格合格に向けて頑張ってください!



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