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【遊戯王OCGデッキ紹介】忍者と極神【極星/極神】

○構築に至る経緯(ほぼ余談)

 2021年10月16日、事件は起きた。

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 OCG11期第7弾『BATTLE OF CHAOS』の発売である。そのカードリストには『極星』カードが含まれていた。

 夢にまで見た極星新規は、制約のないサルベージ・展開効果持ち代替チューナー自己特殊召喚効果持ち極星宝サーチャー、有って無いようでたまに結構重い制約持ちのデッキリクルート魔法、そして何より妨害・制圧札だった。

 それまでの極星は良くも悪くも高打点モンスターによる面制圧が基本。一部極星宝が妨害手段として用いられることはあったが、せっかく並べたシンクロ素材の極星や極神をコストに用いたりするなどイマイチ噛み合いが悪く、カード間での連携が取れているとはお世辞にも言い難いテーマであった。精々、ヘヴィ級のモンスターの割にシンクロ召喚のルートが見た目よりも自由というところが強みか。

 プレイヤーたちの創意工夫、そして『LINK VRAINS PACK2』で手に入れたリンクモンスター《極星天グルヴェイグ》によって格段に極神が盤面に立つ機会は多くなったが、絶対にそうしなければならない理由はまだ手に入れられていなかった。

 しかし、ついに、念願かなって極神は“盤面に絶対に立たなければならない理由”を手にしたのだ。即ち、《極星宝スヴァリン》である。

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 いわゆる環境デッキや最新のテーマデッキが、あらかじめデザインされたコンボで二回、三回と妨害手段を確保していくなか、『そうまでしてやっと一回妨害』だが、未だ新規カードによるアップデートが施されないマイナーテーマがごまんとある中で『それでも死ぬほど欲しかった一回妨害』である。1ターンにたった一度だけ許された力は、これまで研究を続けた“展開ルートの案”を確かな勝ち筋のある“デッキレシピ”に進化させた。

 極神で勝ちたい。

 俺の考えた極神デッキで勝ちたい。

極神をシンクロ召喚することに誰の目にも明らかな“強み”がある以上、あらゆるアイデアを試すことに価値がある。今回紹介するデッキは、極神の元来の持ち味『高打点』を生かしつつ、新規カードの圧倒的制圧力旧カードとの連携で勝利を掴むために構築した。

○レシピ

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 タイトルの読みは忍者(しのは)と極神(きわみ)である。

○ルート解説と各種カード採用理由

 ・若い忍者コンボ

 このデッキは以前の記事で紹介した『ピンク式GOD5』と同じく、ひとつのコンボでどの極神もシンクロ召喚できるようになっている(リンク先当該記事)。

 必要なカードは以下の二枚

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 これら二枚が手札に揃えば極神、もしくは制約のないレベル10シンクロモンスターを自由にシンクロ召喚可能である。

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 初めに《極星工イーヴァルディ》を通常召喚し、②の効果で《極星宝フリドスキャルヴ》を手札に加える。すぐに《フリドスキャルヴ》を使って《極星獣タングニョースト》をデッキから特殊召喚する。

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 《タングニョースト》を対象に《若い忍者》の①の効果を発動。《タングニョースト》を裏守備にしながら《若い忍者》を特殊召喚する。これにより、《フリドスキャルヴ》の『リクルートしたモンスターが表側で存在する限り《極神》しかエクストラデッキから特殊召喚できない』という制約が解除される。

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 《若い忍者》と《イーヴァルディ》で《聖騎士の追想イゾルデ》をリンク召喚。《若い忍者》さえ墓地へ送ることができればここはなんでも大丈夫だが、もしも特殊召喚時に何らかの効果が発動する場合、チェーンの処理の順番の都合で必ず《若い忍者》の②の効果を最初に発動するように注意! 当然強制効果が発動するカードは厳禁である。

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 《若い忍者》の効果で《タングニョースト》を表側攻撃表示に変更。守備表示から攻撃表示になったことで『極星獣』をデッキからリクルートできるので、《極星獣グリンブルスティ》を特殊召喚。

 《グリンブルスティ》は墓地の『極星』モンスターをサルベージできるので、リンク素材にした《イーヴァルディ》を回収。《イーヴァルディ》は一度も①の効果を使っていないため、特殊召喚できる。これにより、盤面のモンスターの合計レベルは10となったため、《グリンブルスティ》の『極星チューナーモンスターの代わりとなる』効果を使ってあらゆる極神になることが可能!つよい!イゾルデのリクルート効果もこの動きでは使っていないため、状況に応じて細かく最終盤面を変えることができるのも大きな強みである。

 必要カードのどちらも低ステータスの下級戦士族かつテーマに属するカードなので手札に加える手段は非常に多く、精度で言えばピンク式を凌駕する。が、こちらはエクストラデッキを否応なしに一枠使う点と、《リバイバル・ギフト》や《トークン・コレクター》のような相手盤面に干渉する応用力がほぼ皆無な点は弱みと言えば弱みなので、結局一長一短。

 実は展開ルート上で《スヴァリン》に確定で触れられないのが大きな欠点であるが、細けぇこたぁいいんだよ!

・極神にカラテがみなぎる

 2022年7月16日に発売した『DARKWING BLAST』に収録された『忍者』および『忍法』の新規カードによって、OCGのモンスターは全て、本質的に忍者となった

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 装備魔法《忍法装具 鉄土竜》を装備することで『忍者』となったモンスターは、強力な『忍術』でサポートされる。強力なステータスと効果を持つ『極神』ならばその威力は絶大である。

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 たとえば《戎の忍者-冥禪》の効果で相手プレイヤーへの直接攻撃が可能となれば、《オーディン》と併せて一度に7000ポイントものライフを奪うことができる。展開力に優れる『忍者』ならばダメ押しの一発を叩き込むのも容易。

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 なお、《オーディン》は自身の起動効果を使うと魔法・罠に耐性が発生するため、自身が忍者であることを忘れるので注意。おじいちゃんだもの。

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 《隠れ里-忍法修練の地》は、もともと疑似的な破壊耐性をもつ『極神』に一ターンに一度だけの破壊耐性をもたらしてくれる。そのコストとなった墓地の忍者でさえ、《鉄土竜》で帰還できるため、追撃・カウンターの準備に一役買ってくれる。

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 また、『忍者』は《機甲忍法ラスト・ミスト》によって特殊召喚された敵モンスターの攻撃力を半分にし、戦力を大きく削ることもできる。忍者の頭数が増えるということは、魔法罠の除去が追い付かない状態ならば、先頭での状況打破が限りなく不可能に近くなるということ。仮に《ラスト・ミスト》が除去されたとしても、《隠れ里》や《獣の忍者-獏》によるサルベージができるので、敵の攻め手はどんどん枯渇していくことになる。

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 《忍法 落葉舞》は『忍者』か裏守備のモンスターをリリースしてデッキの『忍者』をリクルートする。これにより、敵モンスターを《鉄土竜》で忍者にしたり、《生きる偲びのシルキィ》で裏守備にして除去し、展開することが可能になった。《シルキィ》自体はチューナーなので極神にはなれないが、レベル2なので《No.2 蚊学忍者シャドー・モスキート》になれるため、実質忍者である。

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 《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》はデュエル中盤以降、忍者の展開の要となる。《忍者マスター HANZO》は効果の発動回数に制限がないため、《ゲツガ》で展開すれば《獏》と併せて枯渇した手札を増強してくれる。レベルが低いところでバラバラなため、極神のシンクロ素材としても非常に役に立つ。

・ペンデュラム召喚の準備

 《イゾルデ》を使えば、ペンデュラムスケール0~9という超強力盤面が準備できる。

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 極神展開の傍らで用意された《イゾルデ》で、《ケンドウ魂 KAI-DEN》をサーチ。本来この効果で手札に加えられたカードはあらゆる召喚がそのターン中不可能であるが、魔法カードとしてPゾーンに発動は可能である。

 《イゾルデ》の②の効果で装備魔法一枚を墓地へ送り、Pモンスター《黄昏の忍者-カゲン》をデッキから特殊召喚。これにより、《軌跡の魔術師》のリンク素材が揃う。

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 《軌跡の魔術師》で《捕食植物ブフォリキュラ》を手札に加える。その後、P召喚をしなければモンスター効果が一切使えなくなるが、Pスケール用のカードは既に二枚手札にあり、P召喚するモンスターもエクストラデッキに《カゲン》がいるため、相手からの妨害さえなければ無いも同然のデメリットである。

 また、《ブフォリキュラ》はP効果によって闇属性の融合召喚をすることができる。《冥禪》は闇属性のため、P召喚した《カゲン》を使って融合召喚できる。

 忍者は多数の《忍法》を駆使する都合上、魔法罠ゾーンの置物が多くなるのでP召喚は相性が悪そうだが、《KAI-DEN》は自分から手札に戻るため、必要な時だけP召喚して魔法罠ゾーンを節約しながら闘えるので安心。

○その他カード採用理由

 《フルール・ド・フルーレ》

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《極星天ヴァルキュリア》や《蟲の忍者-蜜》を蘇生できる装備魔法。主にイゾルデのコストだが、いざという時のレベル調整に便利で、極神に装備できれば打点補強に、後述の《パワー・ツール》に装備できれば強力な妨害札に様変わりする。

《真刀竹光》

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 ダイレクトアタックの回数が多いこのデッキでは効果発動のタイミングも非常に多くなる。《ラスト・ミスト》の効かない相手に決めてやりたい。

《パワー・ツール・ブレイバー・ドラゴン》

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 自分から忍者になってくれる機械竜。②の効果は《鉄土竜》の帰還効果とも相性抜群のため、デュエル終盤は積極的にシンクロ召喚したい。

○まとめ

 極星新規カードのもたらした変化は革命的で、これまでどうあがいても『ネタ』の域を出なかった草案が一気に現実性を帯び、ただ二つのテーマを混ぜただけでは済まされないパワーを発揮するに至った。

 最初は『オーディンが忍者になってダイレクトアタックすると絵になる』程度のアイデアであったが、《若い忍者》とのマリアージュに一人回し中に気づいたことで、改めて新規カードの力と、そして何より旧カードの効果の面白さに触れることができ、デッキとして完成に至った次第。《極星獣タングニョースト》を裏返したり表にしたりする動きは古き良き極星デッキを思わせて実に趣がある(自己申告)

 ただ、現状のレシピでは冒頭で述べた《スヴァリン》の強みをフル活用できているとは言い辛く《若い忍者》と《イーヴァルディ》を同時に手札に加える手段もハッキリ言って少ない

 エクストラデッキに関しても、《スプライト・スプリンド》《ギガンティック・スプライト》は余り活用できていないなど、詰めの甘さが露見している。

 これらの問題点を、問題点のままにするか、それとも『開拓の余地』とするかは、まさにプレイヤーの腕にかかっている。自分で言っていて耳が痛いが、プレイする面白さには自身のあるデッキなので、より忍者らしく変幻自在の楽しさを発揮できるよう磨きぬいていきたい。

○最後に

 冥禪の画像切り抜き死ぬほどキツかった。

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