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「出会いと感動」をテーマに固定客の来店頻度を高めます!—地域密着小売業「ハシドラッグ」の挑戦

福島県を中心に14店舗展開するハシドラッグは、直近2年間で11店舗の改装に踏み切った結果、会員1人当りの「年間購入金額」を8,000円も増やした。大規模な売場改革を実施した同社に、地域密着小売業の差別化戦略について聞いた。



接客、深い品揃えがハシドラッグの強み

—ハシドラッグの生き残り戦略について教えてください。

希一 ここ3年くらいで、地域密着ドラックストア(DgS)の生き残り戦略について語られるようになりましたね。

当社は「出会いと感動」をテーマに独自のマーチャンダイジング(MD)を進めており、お客様の期待を超える商品やスタッフとの「出会いの場」として店舗を位置付けています。我々は商売人なので商品を買って頂き、店のファンになってもらうことが一番嬉しいです。

高速出店のナショナルチェーンと差別化をするため、大手DgSでは取扱っていないような「ローカルブランド」「地産地消商品」のリピーターを増やしています。また、楽しく接客できるスタッフを育成することで、新規の取りこぼしがないようにハシドラッグの固定客を増やしています。

先代の父は、医薬品・化粧品カウンターにスタッフがいないと叱る人でした。接客重視の経営体質は現在も変わらず、お客様一人ひとりの購買傾向やニーズを読み取って個々に最適の健康相談・カウンセリングを行っています。

▲[写真1]ハシドラッグが、10店舗以上のチェーン店としては、日本一売っている
「レオピンシリーズ」(川俣店)

たとえば、当社は「レオピンシリーズ(写真1)」が、10店舗以上のチェーン店としては、1店当りで日本一売れており、直近の2022年も前年比110%と伸びています。医薬品売場のスタッフがきちんと商品価値を伝えることで商品のファンになってくれるわけです。

▲[写真2]狭小商圏で勝ち残るためフード&ドラッグ+調剤に挑戦する(川俣店)

当社の現在の業態戦略は「フード&ドラッグ+調剤」です。フード&ドラッグは大型DgS業態に転換した1994年から行っていますが、調剤は2021年から始め、2店舗展開しています(写真2)。商圏が狭くなっていく時代に、お客様一人ひとりにトータルでヘルスケアサポートができる調剤は必要だと思って始めました。

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