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障がい者スポーツへの想い③【吉良式発想法&視点】

どうもどうも、吉良です。

8/24(火)に東京2020パラリンピックの開会式、9/5(日)に閉会式がおこなわれ、パラリンピックが無事に終了しましたね。

閉会式の当日に行われたパラバスケットボールは特に素晴らしい試合でした。バスケットボール発祥の地(1891年)で絶対王者のアメリカに立ち向かう日本チームの姿、第4クォーターの途中で5点リードした時は、ラグビーワールドカップで日本が南アフリカに勝った時の奇跡がオーバーラップしましたが、さすがアメリカは強かったですね。

パラリンピックを通じて常に感じたことが、勝ち負けよりも「できないことはきっとない」と自分自身に立ち向かうパラアスリートの姿とそれを支えるチームスタッフの姿でした。

それと選手、スタッフが一丸となって発想する、創造力。
ボッチャの試合はまさに「創造力の戦い」で素晴らしくわかりやすい「ビタビタ」解説を通じてできないことを超えてゆくクリエイティビティを感じました。

創造力vs創造力=ボッチャ でしたね。

オリンピックの時はあまり感じなかったのですが、パラリンピックの閉会はとても寂しく、「祭りの後の寂しさ」をひしひしと感じました。パラリンピックを通じて本当にたくさんの事を学ばせてせもらいました。今回はその学びと学びから得られた事をお話ししていきます。

これまでの障がい者スポーツへの想いをお話しした記事は下記をご覧ください。

【1】東京2020パラリンピック・開会式

パラリンピックの開会式をみて、日本経済新聞と僕たちマンガデザイナーズラボが目指す「障がい者に優しい国、日本」を宣言するような素晴らしい内容だとまず感じました。

「We Have Wings(私たちには翼がある)」をテーマとして新型コロナウイルス禍で現実ではみんなが集まれないエアポートを舞台に、様々な特徴をもつ飛行機によって多様性を表現したわかりやすい世界観。

個性的な飛行機や「デコトラ」をはじめとしたさまざまな人々の応援を受けて、片翼の小さな飛行機が飛び立つ物語は逆風に立ち向かうパラアスリートのように勇気を出して翼を広げることで、逆風でも飛べるし素晴らしい場所に到達できることを教えてくれました。

これは障がい者に限った話ではなく、私たちにも当てはまることです。
私たちが何か新しいことや難しいことをするときも自分ひとりの力ではなく、周りの人々の助けや励まし、他のできごとから勇気をもらって実現に近づいていくと思います。

障がい者は特殊な存在ではなく、人類はみな同じであることを力強く発信する内容でした。また、言葉がない演出だったため、世界中の人に平等にこのメッセージが伝わったことも大きな魅力のひとつです。

この考え方はSDGsの「誰一人取り残さない(leave no one behind)」という精神にもつながります。

争いがなくみんなで共生する平和な空気感が心地よい開会式でした。

【2】東京2020パラリンピック・競技

競技からも多くの気づきを得ることができました。
パラリンピックの競技には「できないことはきっとない」という意識のもとはじめからあきらめるのではなく、「無理かどうかはやってから考える」力強い気持ちがこもっていると思います。

私たちは「視覚障がい」と聞いたとき、どのようなことが難しいか何ができないのかを考えることはあっても、どのようにしたらできるようになるかを考えることはほとんどないと思います。

パラリンピックの競技には、ゴールボールやブラインドサッカーでは音の鳴るボールを使う、テニスは2バウンドまで認める、水泳やアーチェリー、卓球は独自の泳ぎ方・打ち方を認める、柔道は組み合った状態から始めるなど、どのようにしたらできるかを考えた工夫が詰まっていました。まさに視点ですね。

これは、選手だけでなく、それを支える関係者にも「できないことはきっとない」という前向きな思いがあるからこそ競技として成り立っているのだと思います。伴走者、ガイド、競技アシスタント(ボッチャでランプという器具を競技を見ずに設置する方)などがいい例ですね。

選手の皆さんは何か障がいがあって難しいことや不得意なものがあるなか、自分の強みを最大限に生かして競技に臨んでいました。そして、笑顔で競技を終えている選手が多かったように感じます。

できないこと、苦手なこと、弱点を補ってひとりひとりを完璧にした人間の集団を目指すのではなく、各々の強みを見つけて集団の中の1つのレイヤーとしてその強みを生かしていく組織。
これがマンガデザイナーズラボの目指す理想の姿、向かっていく道です。この目指す道はまちがっていないのだとパラリンピックを観て感じました。

パラリンピックとして競技をおこなう以上、順位をつけることにはなってしまいますが、それぞれのメダルは選手やスタッフもっといえば国家のモチベーションアップ(意識高揚)につながっていると思います。

しかし、応援する側の視点からすると関係者を除いては、それぞれの選手たちが皆すでに「できないことはきっとない」の道のりを乗り越えた選手ばかりであることから、その勝ち負けやメダルの色にあまり大きなこだわりなく観ていたのではないでしょうか。

パラリンピックでの結果ではなく、パラリンピックに出場するまでの過程には応援するすべての人から平等にメダルを渡したいという気持ちにさせられました。

【3】東京2020パラリンピック・閉会式

閉会式は「Harmonious Cacophony(調和の取れた不協和音)」(大会組織委員会では「違いが輝く世界」と表現)をテーマにカラフルなパフォーマーが集まり、旗手全員で創り上げた鏡を貼ったスカイツリーを会場全員の力で立て、「すべての違いが輝く街」を完成させました。

多様性が調和したような完成した街には違いを認め合う「共生社会」の実現への希望が見えたように思います。

同じく、閉会式では多様な音楽を使用し、国旗の入場のシーンをはじめ音楽に合わせて「拍手」を使用した場面が多くありました。視覚障がいの選手も一緒に楽しめるように考えられた演出だったのではないかと感じます。

密を避ける必要がなければ、最後には選手とパフォーマーが一緒になって踊っていたのではないかと思うほどの一体感がありました。

昨今のメディアが好むような「感動させようとして感動する」ものではなく、そのような下心を全くなしに、みんなが一致団結して創り上げられた開・閉会式を含めたパラリンピックには僕たちが忘れかけていた純粋な感動があったように思います。

パラリンピックを通して、特に後天性で障がいをもった方の立ち直りの時間が早くなったり、健常者からの障がい者の見方が変わったりと多くの変化があったと思います。しかし、これはゴールではなくスタートです。

私たちがいつか時代が変わる瞬間を見ることができた、と言えるように「障がい者に優しい国、日本」をパラリンピックと同時に終わらせるのではなく、競技者が増えるように環境や機会の整備、障がいについての啓蒙を継続しておこなっていくことが必要です。

そして、いつかオリンピック・パラリンピックのように分けて特別扱いするのではなく、障がいの有無に関係なく当たり前の存在として一緒にスポーツやそれ以外の活動もしていける真の共生ができる未来を創っていきたいものですね。

最後にNHKのパラスポーツの競技紹介映像、かっこよかったですね。いつかあのような映像をマンガデザインモーションで作りたくなりました。「できないことはきっとない」ですよね。

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