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インスタントで目の眩むような世界の中で、大切なものを見つけるために手紙を書きます。


1.はじめに

はじめまして。りっくんと申します。
世の中にたくさんの情報が溢れる中からこのnoteを見つけて下さって、ありがとうございます。
2020年3月から発生した新型コロナウィルスにより、世界の動きは凍ったようにピタリと止まってしまいました。
明らかに、世の中に根本的な変化が起こりつつあります。僕たちが何もできず家に留まっている間に、人が移動していなければ食べていけない職業の人々はどんどん糧を失い、モノが消費されることを前提として成り立っていた経済は根本から崩壊しようとしています。
僕自身も4月に都心のホテルに新卒として入りましたが、そもそも今後人が積極的に移動し、都市という空間に大規模に集まるのかどうかも定かではありません。もちろん不安はありますが、それでも家を出ることさえできません。
しかし、そんな状況であっても、僕たちは前に進まなければなりません。

2.深く深く思考の海に潜る

自然の猛威に翻弄されグローバルな社会が崩壊する世界で、何もできなくなった僕たちにできる唯一のことは「考えること」です。
自然と社会の関わりとは何か。資本主義とは、経済とは何か。幸せとは何か。
これまでとは比較にならないくらい、深く深く思考の海に潜って自分なりの答えを見つけなければ、これまで当然だったものが当然でなくなってしまった世界の中で幸せに生きることは叶わないでしょう。
そこでこのnoteでは、僕と友人の2人で、僕たちなりの「幸せ」について考えるとともに、その思考の海に深く潜っていくための一つの方法の可能性を模索していきたいと考えています。

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3.手紙にこだわる理由

僕たちが選んだ方法は、「手紙」です。

僕と友人が、お互いにある共通のテーマについて手紙を送り合い対話をすることで、僕たちなりの「幸せ」の形について考えていきたいと思っています。そして、最後に「手紙」という方法を選んだことで得たものをまとめたいと考えています。

手紙は、とてもスローで、知的で、ロマンチックな伝達手段です。

つい最近まで、私たちは遠くの人と意思を通わせるためには手紙を書くしかない時代を生きていました。交通手段が発達するまでは、遠方の人に宛てれば宛てるほど、その返事が返ってくる時間は長くなり、もしかしたら返ってこない可能性さえありました。
そんな中で何かを伝えようと思った時、特に難しいテーマについて何かを伝えたいとき、人々は限られた紙面の中に様々な工夫を凝らして、情報を整理して書き綴っていたことでしょう。

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哲学者のパスカルが、『今日は時間がなくて、手紙が長くなってしまいました。』という文章を手紙の中に綴ったのは有名なエピソードです。そのくらい、整理して何かを書くことは時間がかかるし難しいことです。当然、手紙に文章を書く中で、自分の頭の中の情報は整理され、構造化されるようになります。
しかし、一人一台スマホを持ちメッセージを即座にやり取りするのが当たり前になった時代において、人との対話において長い文章をやり取りし返事をじっくり待つという経験をすることが極端に少なくなってしまいました。もちろん仕事のメールなどでまとまった文章をやり取りすることはありますが、日常的にそういった経験はしなくなっています。確証はありませんが、それは大きな弊害を生むのではないかと考えています。例えばtwitterでは、たった140字足らずの文章の欠片をインスタントに投げ合い、言葉のケンカをしただけで議論した気になってしまっている人を多く見かけます。
さらに、世の中がより便利になり、即座にメッセージを送り合うのが当たり前になったことで、僕たちの身の回りには整理されていない情報が大量に溢れてしまうことになりました。人の脳が理解できる情報の量には上限があり、理解に時間もかかります。しかし、仲間同士のネットワークだけではなく、様々な企業も私たちの注意を引こうと大量の情報を私たちの目の前に表示させているため、よりそのごちゃごちゃした情報の世界の中で丁寧に思考することは難しくなってしまっています。
だからこそ、僕たちは本質的なテーマに関して手紙をやり取りしたいと考えています。そして、その過程を公開することで、これまでの文章を読んでくださり共感して下さった方にとって思考を深めるヒントになればと考えています。

4.十通に思いを込める

僕たちのこの試みは、「手紙屋」という小説に大きな影響を受けています。この小説では、就職活動に悩む主人公に対して、手紙のやりとりのプロである手紙屋が、手紙でしか実現できない独特の文章と時間の「間合い」によって主人公の人生を変えていきます。僕たちもそのように、大切なヒントを与え合えたらと思っております。

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手紙屋は十通の手紙までしかやり取りをしないと決めているため、小説は十通の手紙のやり取りだけで構成されています。それに倣って、僕たちも同じ十通の手紙に思いを込めたいと思います。
インスタントで目の眩むような世界の中で、大切なものを見つけるために僕たちは手紙を書きます。

ルールは至ってシンプルで、

・僕と友人が「質問側」と「回答側」の役割を切り替えながら、十通の手紙をやり取りする
・手紙は原則1週間くらいで相手に返す
・手紙の内容を全てnoteに公開する

ということだけです。

そして、この手紙のやり取りに使うテーマを、僕の友人であり手紙のパートナーとなるゆまから次のnoteで紹介させていただきます。