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畳部屋をフローリングにする(その2)

前回までで、床下の湿気対策と断熱対策をやったので、今度はいよいよフローリング施工に入る。

前回もちょっと書いたけど、畳の部屋をフローリングにするには使用していた畳の厚さ分、高さを揃える必要がある。この部屋の畳厚さは45ミリだったので根太30ミリにフローリング板15ミリを組み合わせることにした。

また部屋のサイズを図っておく。部屋のサイズに合わせて板を買ってくる。一つ重要なポイントが有る。古民家の家の作りはかなり不整形である。この部屋で両端の長さの差が50ミリぐらいあった。この歪みを理解した上で板貼りを始める必要がある。例えば、片方の壁面に沿って床貼りを始めてしまうともう片方に大きな隙間ができてしまう。最初から歪みの半分をのりしろとしてとっておけば隙間が偏らない。

また、古民家は旧尺貫法の尺、寸、間で間取りが作られている。また、江戸間、京間というサイズの違いがある。古民家は当然ながら京間となり、畳サイズ1920ミリが1間となる。最近の家の1間は1820ミリで100ミリの差がある。6畳間の場合、タテ2間(3840ミリ)とヨコ1間半(2880ミリ)となる。フローリング用の板材は、だいたい長さを1間でカットしてある。おおよその板材は1820ミリで売られていて、間違った商品を買わないように気をつける必要があった。

板材は合板、無垢材などある。古民家なら無垢材一択。合板は接着剤で張り合わせているのでカットに寸法誤差がほぼなく、施工後も温度変化や湿度変化に起因する狂いも起きないため施工性がいい一方、15年、20年程度が耐用年数となってしまう。無垢材は製材したそのままの板材なので基本的にナマモノ。施工のときから寸法誤差はあるし、狂いも起きやすい一方で、耐久力はほぼ無期限。そしてなにより居住性がいい。もとより家の耐久年数が長い古民家だし、歪みが最初から部屋に存在するので寸法合わせのやりくりは当然やることになる。

この家を買う前に中古の家を何件も見て回ったが、たいていベニヤ板の使われた床はブカブカになっていた。接着剤の耐用年数が切れて用材がバラバラなってしまっている。昭和40年代から日本の住宅に南洋由来のベニヤ板が使われだした。昭和40年から平成頃にリフォームされた家は大概ベニヤ板がつかわれている。そんな床はもう一度床のリフォームが必要だ。合板が使われだしてから家の寿命が一気に短くなった。そのほうが施工業界も材木屋も儲かったからだろうけど。

板材の厚さについては15ミリとしたのは畳の厚さと合わせるのに計算がしやすかったというのもあるが、他にも考慮した点がある。強度と歪みについてだ。厚さがあると強度があるが、温度や湿度変化によるソリなども大きくなる。薄い板材であれば強度がなくなる一方歪みのリスクが減るので施工性がいい。フローリングの工法について調べていると9ミリぐらいの板材に合板を組み合わせて強度を補う施工が一般的に見られているが、先述の理由で合板を使いたくなかった。でもフローリングの板厚を30ミリにすると値段も高くなるしソリがどれぐらいでるのか素人工法で未知数だったので避けた。というわけでそこそこの強度が期待できて値段も手頃な15ミリに決定。

板材はネットで調達。何軒があるネット販売の製材所を見比べて、最終的に楽天の手島製材所をチョイス。ヒノキ材1910ミリ幅108ミリ、厚さ15ミリ

https://www.rakuten.co.jp/kakouita-teshima/

発注したあとで気がついたのだが、この製材所の所在地がなんと隣町だった。全国にあまたあるネット販売の製材所のなかからよりによって隣町の製材を選んでしまう不思議。それで、西濃運輸支店止めで指定していた引取先を工場まで取りに行くことにした。

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道具について。必要な道具は墨打ち、電動スクリューと丸ノコと釘打ち機(フロアタッカー)。電動スクリューと丸ノコは前から持っていたので釘打機を買ったが、買う前にいろいろ迷った。なにせ、まず用語がよくわからんし、種類が多い。最終的に4ミリ幅、長さ27ミリのステープルなるホチキスのような足が二本あるタイプをつかってフローリングをとめることにしたが、そこまで仕様を決めるのにあれこれとネットで情報を集め、ほぼ丸一日つかった。厄介なのがタッカーというキーワードで検索するとクロス張りなどに使う足の短い物が最初に検索候補に大量に出てくる。もうちょっと調べてフローリングに使える足の長いステープルが使えるものを見つけたが、それはプロ仕様の値段の高いもので、ちょっと手が出せない。しかもプロ仕様はコンプレッサーが高圧!揃えるだけで10万円とか見えてくるが、やって成功するかどうかわからんDIY仕事にいきなりそんなにコストを掛ける訳にはいかない。

いろいろ有って見つけたのがこれ。海外仕様のアウトレット品。レビューに先端を45度にカットする必要があると書いてあるのがよくわからなかったが、実際施工してみたら、なるほどカットしないと使えなかった。

ついでにコンプレッサーも購入。昔はコンプレッサーだけでもウン万円してたけどお手頃価格なものがでてきた。

いよいよ施工。施工方法はYoutubeで事前にいろいろ学習。最初に墨打ちでセンターを決めて、根太を木ねじでビス止め、1間あたり6本分の根太を打てるように均等配分する。墨打ちも昔は本当に墨を打っていたけど今はピンクのチョークなんだな。死んだじいさまのもってた墨打ち使おうかと思ったけどこっちのほうが使い勝手がいい。


センターが決まればあとは単純作業。板材を配置して、根太ボンドなる接着剤をつけて、釘を打つ。これの繰り返し。基本、長さ1間分の用材に対し、部屋の長さが2間なので長手方向に2枚板材を配置すればいい。しかし、板のつなぎ目を偏らせないようにするため、半分に板をカットして板材を0.5+1+0.5で配置。1+1と、0.5+1+0.5の組み合わせを交互に配置する。この配置方法になんか専門用語有った気がするが忘れた。このカットに丸のこが必要。これは結構緊張した。まっすぐ、直角に切るんだ!と言い聞かせながら切る。丸のこは作業に慣れないとまっすぐ切れないし、そもそもケガキ線を引いたところに刃が行かない。このカットに失敗すると部屋の出来栄えが大いに悪くなる。

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板と板の間には0.2ミリ程度の隙間が必要ということで名刺をカットしてスペーサー代わりに使う。隙間はゼロにしてしまうと環境が変化したときに床が盛り上がったりするリスクが有る。かと言って隙間が多いとカッコ悪い。時々釘打ちに失敗してちょっと頭がはみ出たときは慌てた。落ち着いて考えて、サンダーで頭をカット。道具類の整頓に気をつけること。散らかった足元でうっかりボンドチューブを踏んだりするととてもひどいことになる。床に落ちたボンドをさらに踏んで拾って床にボンド付きの足跡をペタペタとつけることになる。犬猫の足跡なら多少は可愛いがおっさんの足跡など誰も喜ばない。

ボンドはこんなの。六畳で12本使った。


板の貼り終わりは巾木と呼ばれる板材で隙間を目隠しする。本当はもうちょっと小さい巾木ですめばカッコイイのかもしれないけど、初めてでここまでできれば上等でしょう。大工仕事ってこういうアラ隠しがテクニックなんだなとやりながら思った。

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参考にしたページ

https://note.com/dai1112_blueto/n/ncc82c72480fc

https://99diy.tokyo/wooden_flooring/

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