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【OCG】AGOVで見る遊戯王のルール

・はじめに

普段はOCGメインでプレイしていますが、MDの記事が多かったので今回はOCGについてになります。他の記事を書いてる方と同様少しでも参考になればと思いメモ代わりに残しておきたいと思います。

新レギュラーパック発売から約一週間、新規を使った構築が続々と産まれる中、残念ながら基本的な部分、特にテキストの解釈やルールの部分で間違った認識をしている方を多く見かけます。
フリーでやる分にはいいと思いますが、大会等に出る場合には、ルールやテキストの正確な処理は覚えておきたいところです。今回は新規の中でも汎用性の高いカードに絞って簡単に解説していきます。


・黒魔女ディアベルスター

このカードの①の効果の特殊召喚は効果ではなくコストです。厳密に言えば効果で墓地に送った扱いにならない、が正しいです。(下記参照)

コストと効果の違いは難しい、とよく言われますがテキストにしっかり書かれています。
コストの場合、ディアベルスターのように「手順として墓地に送ってから」場に出します。類例でいうとモンスターであればクイック・シンクロンが、魔法であれば禁じられた一滴がそれにあたります。
効果の場合、わかりやすいのはティアラメンツ・シェイレーンのように「発動宣言してから墓地に送り」場に出します。

コスト類例1
コスト類例2
効果類例1

見比べてみると一目瞭然だと思います。
シェイレーンは効果発動宣言そのものがコスト、と言ってもいいかもしれません。

また、コストの場合はアライズハートやアトラクターといったマクロコスモス系カードの効果の適用中では手順としても、効果発動宣言自体出来ません
理由は「墓地に送って」という部分が墓地に送られるかわりに除外になってしまうため、「墓地に送る
」という前提条件、事実を満たさないからです。墓地にカードがいかず除外になるのでコストとして不適当である、という解釈です。
効果の場合は何故出来るのか、については遊戯王の暗黙のルールに則るため、後ほど解説します。

これらの分類はこういった形でテキスト上のみでも最近ではかなりわかりやすくなりましたが、もし判別がつきにくい場合は原則としてこれらを覚えておきたいところです。

・ホルス

このテーマの特色である、チェーンブロックを組まずに墓地から特殊召喚という部分が、「ネクロバレー適用下で出せるのか」どうかです。

たしかに出せるようにも見えるかもしれませんが、特殊召喚「出来ません」。
同じくチェーンブロックを組まない自己蘇生モンスター、深淵の獣ルベリオンは出せるのに何故?と思うかもしれませんがここも明確に違います。

違いは「効果」か「効果外テキスト」かです。
ホルスの場合、墓地からの蘇生は①と数字が振られているので「効果」にあたります。より厳密に言うと「効果分類されない効果」です。俗にいうルール効果です。
一方、ルベリオンは「効果外テキスト」にあたります。数字の前に書かれているため、効果として扱いません。なのでネクロバレーの墓地へ及ぶ「効果」という部分をすり抜けられます。
基本的に数字の前に書かれているものは効果外テキスト、そのカードを場に出すための条件・手順が書かれたもの、と認識しておくとわかりやすくなると思います。

追記
一応類似の裁定としてはグラファになります。

類例
グラファの蘇生も①表記
裁定

・厄災の星ティ・フォン

このカードに関しては今更だとは思いますが、相手ターンには他のカードの効果以外では出せません。
元々X召喚はルール上自分のターンにしか行えず、正規の素材(レベル12モンスター×2)によって出す代わりに重ねて出すこと「」出来る、と書かれているためです。あくまで正規の条件の代わりなので、X召喚しようとする行為も正規の状態じゃないといけない、といったところです。
このテキストも「効果外テキスト」です。

追記2
ルールやテキストをよく理解出来ていない人は、なぜこんなにわかりにくくかつ回りくどい書き方をしているのか疑問になると思いますが、例外が存在するからです。

例外1
9割くらいこのカードのせい(個人の感想)

このカードを使うことで、相手ターンにX召喚する権利を得られるので、正規のX召喚を行うように効果外テキストによって重ねてX召喚できます。
もう一つの例外は主にエクソシスターが使う戦術の一つで、墓地を動かす効果に対してバディスを使うことでエクシーズモンスターが2体並びます。

例外2

つまり、ティフォンの「相手がEXデッキから2体以上のモンスターを特殊召喚したターン及びその次のターン」という条件をこちらのターンで満たしてくる可能性があり、その可能性のために「特殊召喚したターン」でも可、になっていると推察されます。

・S:Pリトルナイト

比較的わかりやすい部類だと思いますが、①の除外効果を使う際に対象が消えても直接攻撃は出来ません
除外出来たか否かに関わらず、効果そのものを無効にされていないため後半の制約も適用されます。

一応確認しました。

このタイプの制約が残る効果は忘れがちなので注意したいところです。

・暗黙のルールについて


遊戯王は原則、テキストに書かれている順番で効果処理を行います。テキストそのままの文言に可能なところまで従い、それがどう適用されたかで、どういった処理を行うかが決定されます。

ディアベルスターの項目で述べたシェイレーンを例に取ると

1.自分メインフェイズに発動し

2.手札から特殊召喚し、自分の手札からモンスター1体を選んで墓地へ送る(同時処理)

3.その後、自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。

という手順になります。このとき、アライズハートが存在していた場合1の発動、2の特殊召喚まではテキストの順番通り処理できますが、手札からモンスターを1体墓地に送ることは「墓地へは行かずに除外されて出来ていない」ので、デッキの上から3枚墓地へ送る処理は行いません。

一言で言うとこれ


・まとめ

新カードが登場したら、まずは公式のデータベースを使うカードだけでもいいので確認することを強く勧めます。
KONMAI語と揶揄されがちな遊戯王のテキストですが、しっかりと読み解き、データベースを参照し、類例や基本ルールなどを調べればわからなかったり間違えることは大きく減ります。昨今ではマスターデュエルで類似のテキストがどういった処理をされるのかを確かめたり、公式のチャットでリアルタイムで返答が来たりと、難解なイメージを払拭する機会は増えています。

ルールとマナーを守って楽しくデュエル、というのが遊戯王の根本なのであれば、マナーを守れてもルールを守れない場合は楽しくデュエルが出来ない、ということになります。(もちろん逆もまた然りです)
両方守って楽しくデュエルしましょう。

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