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愛されないのには訳がある

母方の祖父。

ハッキリ言って、ロクでもない人です。

結婚したくせに、妻や子供を放置。

「お前らなんか、死んでも構わへんのじやー!」と言い放ち、家にお金を入れませんでした。

祖母は無理をして働いたため、身体を壊して死にかけたのですが…。

そんな祖母を入院させることもなく、祖父は遊び呆けていました。

ですから、母と祖父は、とても不仲。

ところが、祖父は何の予告もせずに、ふらっと我が家にやって来たりします。

そして、母に言います。

「酒、出せ!」

父はお酒を飲まないため、家にはお酒が常備されていません。

「酒なんか無いわ!」

そう言う母に対して、祖父は食い下がります。

「料理酒でもエエから出せ!」

しぶしぶお酒を出す母。

家に戻った祖父は、自慢げに祖母に言いました。

「やっぱり、親子やな~」

「○○(母)が、酒出してくれたで~」

これを聞いた祖母は、ご立腹。

「お母さんも、あんな男に、酒なんか出さんでエエのに!」

そう、私に言いました。

祖母は、母がすすんで祖父にお酒を出したと思っていたのです。

祖父も、その様に祖母に話していたのでした…。

「ばあちゃん、お母さんは、じいちゃんに凄まれて渋々お酒を出したんやで~」

私がそう言うと、祖母は怒り心頭。

「子供に何もしてやらんかったくせに!」

「自分は、してもらう事しか考えんのかー!」

嘘つきで、皆から嫌われている祖父。

父が、言いました。

「じいちゃんも可哀想たい!」

「誰からも愛されんと…」

これを聞いた母。

「なんも、可哀想ちゃうわー!」

残念ながら、これには、私も頷く他ないのでした…。

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