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復讐という名の置き土産

先月下旬に同日入社した新人さん2人。その内の1人は、2週間で退職。

まだ生き残っていた新人さんが、今日は体調不良を理由に出勤して来ませんでした。

(なんか、イヤな予感が…)

彼女は、毎日私に「退職したい…」 とこぼしていました。

これを知った先輩従業員。心配で、顔色が冴えません。

「このまま、辞めてしまうのかしら…?」

もし、この新人さんが退職したら、先輩に多大な負担がのしかかることに…。

ちなみに、前任者は私の友人でした。

今月末で退職ですが、只今、有給休暇を使って、命の洗濯中。

彼女は、ボスの有給休暇買い取りの申し出を突っぱねたため、新人さんは、きちんとした引き継ぎが受けられません。

そもそも、友人の退職の意志は、5月10日には、ボスに伝えられていました。

それなのに、何も手を打たず、今まで友人の退職の意志をはぐらかしてきたのです。

(なんて、計画性が無いんだ!)

先月になって、ようやく、友人の意志が固いことを悟ったボス。

どうかしています。

慌てて雇った友人の後任者候補が、これまで2人も短期間で退職してしまいました。

友人も、自分の後任者は決まらないだろうと予想しています。

それ、すなわち、お客さんから契約を解除されることを意味します。

月 200万円以上の売り上げがパーになる危機。

しかし、ボス1人だけ、何故か能天気。

事の深刻さを全く分かっていません。

この仕事の破綻状況を正確に把握しているのは、友人だけです。

まさに、何が出て来るか分からないパンドラの箱状態。

怪しい置き土産が、その効果を発揮することを密かに楽しみにする友人。

「時限爆弾、何時爆発するのかしら~🎵」

不気味に微笑む友人。

ボスと先輩従業員に邪けにされて、怒り心頭だった友人の復讐劇を静かに見守るしかない私…。

「この職場でずっと働いていると、意地が悪くなるんだよ!」 と友人。

最初に出会った頃の大人しくて優しい友人からは、想像も出来ない姿です…。

「人間、変な苦労するもんじゃないね~」 と乾いた笑い声をあげる友人。

不気味な人間ドラマの終演が近いのでした…。

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