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懐かしまれる人

とある建物の窓辺に佇んで、外を見ていました。

すると、外国人の男性がやって来て言いました。

「あなたの髪はとても美しい。ずっとあなたを見ていました。」

「ハイ、ハイ」来ましたね~。なんとも冷めた反応の私でした(笑)。

やはり、髪の長い女性は最強のようです(笑)。

母から、「あんたは、バックシャンだ」と言われたことがありますが、すかさず父に、「それは、前から見ると残念な事を意味するんだ」などと言われてしまいました(笑)。

何はともあれ、「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」の精神で、彼とお話をすることにしてみました。

彼は日本で小さな会社を経営していて、それなりに軌道に乗せている様でした。日本に来てから、今日までの彼の人生が語られます。

彼が日本で生活の糧を得るためにどんな事を考え、どんな事を実行して来たのか。今後、どんな事をしていきたいのか等々。

彼の視点は、「困っている人がいるけれど、その人達に問題解決のためのサービスを提供することが面倒だったり嫌がられていたりすることは何だ?」というものでした。また、「日本人が気が付かないけれど、外国人が欲していることにビジネスのチャンスがあるんだ」と熱く語っていました。

その後、彼とは友人としてのお付き合いが始まりました。

彼は明るく、愛嬌があり、なかなかのプレーボーイでした(笑)。

友人としては、とても楽しく過ごせます。

彼には人を引き付ける魅力があり、友人が多くいました。

とても気の利く人で、人付き合いの達人でした。

彼から、多くの事を学びました。

多くの夢や目標を残して、彼がこの世を去ったのは、ちょうど今頃のこの時期でした。太く短い人生でした。

それにしても、彼のご家族は大変だったと思います。

遠くから見ている分にはいいけれど、近寄り過ぎると火傷する。

そんな狂気の部分を兼ね備えた彼でしたが、どことなく憎めないのでした。




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