強烈ながらも魅力的な人
ある日、母の実父(祖父)宛てに、1本の電話が…。
電話の主は、母の弟(叔父)の奥さんの親戚。
その内容たるや…。
「おたくの息子さんが、(嫁の実家に)帰省される際にですね…」
「『大トロ食べさせろ!』とか、『ウニ食べさせろ!』とか言いますねん!」
「一体、どないなっとるんですかっ!」
もともと、非人道的な祖父は、そんな事を言われても、全く平気。
可愛そうなのは、祖母。
ひどくショックを受けてしまいました…。
私の息子は、嫁の実家で「ご馳走を食わせろ!」と騒いでいるのか…。
ちなみに、叔父の奥さんの実家は大家族。
夏休みには、多くの親戚が集まります。
叔父だけにご馳走を食べさせる訳にも行かず、すべての親戚に叔父と同じ食事を用意するハメになるのです…。
その出費は、かなりのもの…。
昔は、叔父の奥さんの実家は大変裕福でした。
でも、今は違うのです…。
それを知っていながら、その様な要求をしている叔父。
これには、母も怒り始めます。
「なんや、アヤツ(弟)は!」
「嫁の実家が、傾いとるんやろー?」
「ホンマやったら、(弟が)助けてやらなアカンやろうが!」
「それを、何、もらい乞食みたいなマネしとるんか!」
「アホが!」
「自分のお金で食べんか~」
「親に恥かかせやがって!」
母は、誇り高き人。
世間体はあまり気にしませんが、物をねだることが大嫌い。
娘の私には、盛んに経済的自立を説いてきました。
この強烈なまでの潔さが、父の心を捕らえていることは、ほぼ間違いないのでした。
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