悲しい悟り
新しい職場へ移籍してから、私が盛んに行うようになった仕事。
それは「謝罪文」を考えるという仕事(笑)。
前任者からの引継ぎは、たったの2日間で仕事をしています。
難易度の高い仕事です。この職場のボスや同僚たちも、完全にこの仕事を理解できていないことが、悲劇の始まりでした。
お客様にデータを納品するのですが、次々とミスが発覚。
ボスの指導通りに仕事をすると、結果は惨憺たるものです。
お客様は、ミスの原因を知りたがりますが、まさか、本当の事を言う訳にもいきません。
「引継がきちんと行われず、ボスの言う通りに仕事をしたら、失敗してしまいました!」
それが、真実なのですが・・・。
取り敢えず、潔く謝ろうとしてみたところ・・・。
ボスが私の背後で、囁きます。
「お客様にも原因がある様に匂わせて、何とか乗り切りましょう!」
(はぁ~?)あまりに可愛げの無い発言に、驚く私。
「ほら、お客様の指示の仕方が悪かったとか何とか、その辺はオブラートに包んで上手く表現しなさい!」
それを聞いた私。
「非は、完全にこちら側にあります!」
「そんな事を言って、相手方の神経を逆なでしたくありません!」
つい、そう叫んでしまいました。
私の発言に頭を抱えるボス。
下手に言い訳などすると、私自身の人格まで疑われかねません。
周りでその発言を聞いていた同僚が、言いました。
「アイツ(ボス)、言い訳だけは上手いんだよね!」
この職場で1番忙しい心優しき男性職員。
私のところにやって来て、「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれます。
彼に事の顛末をすべて話したところ、「う~ん」と唸りながら、困惑の表情に・・・。「それは、酷いですね・・・」
「花甘露さん、ボスに質問しても、無駄です。」
「ボスは、この仕事(同じ種類の仕事)をしたことが無いのですよ!」
こりゃ、ダメだわ・・・。
これが、年末最後の出勤日に私が悟ったことなのでした(笑)。