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すき焼き(関西風と関東風)

私は、すき焼きが嫌いでした。作り手は、関西人の母です。

関西風のすき焼きは、肉を焼いて、その上から醤油と砂糖をぶっかけます。

時には、お酒を入れることもあります。

適当に調味料をぶっかけるため、作る度に味が変わってきます。

それに、どっさりと入れられる砂糖のおかげで、甘ったるい味に仕上がります。お菓子は大好きですが、料理の甘いのは苦手です。

ちなみに、母は料理が下手です。そのせいもあるのかも知れませんが、どうも、すき焼きが好きになれませんでした。

ある日、関東の百貨店で、母と一緒にすき焼きを試食させてもらいました。

「何これ。タレが美味しいやん!」

鍋の横に置かれていた、割り下なるものに興味津々な親子でした。

割り下の瓶を手に取り、感心する母と私。初めて割り下を見ました。

すると、すき焼きを焼いていたおじさんが、不思議そうに私たちを眺めるのです。そのうち、あきれ顔に・・・。

そして、母に向かって一言、「奥さん、が美味しいの!が!」

なるほど。おじさんは、お肉屋さんの方でした。

おじさんにしてみれば、何とも間抜けな反応を示す親子でした(笑)。

それにしても、割り下がこんなにおいしい物とは知りませんでした。

それから、我が家のすき焼きは関東風に鞍替えとなるのでした。




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