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ドケチ男のドタバタ劇

母方の祖父。

妻子を不幸のどん底に突き落とした、ロクでもない人です。

ところが、何故か、父のことは気に入っている様で…。

ある日、通勤途中、事故に遭った父。

自転車で走っていたところ、いきなりトラックのドアが開き、激突。

幸い、腕を骨折しただけで済みました。

この事を知った祖父。

父に、見舞金を送って来ました。

(ウソだろ~?)

物凄くドケチな祖父。

妻子が飢えていても、知らん顔をしていた様な人です。

「じいちゃんに、お礼を言わないかんと!」

父は、そう、思ったのですが…。

これを、母が制止。

「あんな、クソジジイなんか、放っておかんか~!」

「お礼なんか、いらんわー!」

母は祖父のせいで、生まれてすぐに捨てられる羽目に…。

ですから、この親子は犬猿の仲。

激しい母の剣幕に押されて、父はお礼を断念。

すると…。

何を思ったのでしょうか…。

祖父は父の実家に電話をかけ、父の母親を呼び出して言いました。

「息子さんに、見舞金を送ったのに、お礼が無い!」

「一体、どうなっとるんですかっ?」

(あ~あ…)

父の母親は、思いました。

「息子の嫁(母)が、(父に内緒で)お金をネコババしたかも知れんと!」

何だか、騒ぎが大きくなってしまいます。

皆が変な恥をかいて、事態は曖昧なまま終息。

母は悪びれた様子もなく、言い放ちました。

「現金書留なんやさかい、届かん訳、あるか~!」

「あの、メチャクチャジジイのハゲ頭がー」

「恩着せがましいんじゃわ~」

まあ、あまり世間体とかを気にしない父。

精神的ダメージを受けた様子が無いことだけが、救いなのでした(笑)。


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