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#3 山岳信仰



登山は三半規管を整えるトレーニング&心の修行も兼ねていたが
山を歩かないと辿り着けない場所へ行くことがなにより楽しかった。



青梅の山を日の出と共に登った時に
山が起きる。という感覚を捉えてからは
個体、生命、風、空気、から
音楽を感じる事ができた。


と同時に、自然音とは両極にあると思っていた電子音に対しても、今までとは違う魅力が見つけられた。




1人で山に向かう時間は
アンビエントやJAZZを聴くことが多くなったも、そういった感覚の影響だと思う。


登山中はちょっとしたマナーみたいなのがある。

すれ違う人と
こんちわ〜!と挨拶をするだけ。


俺はこの感じが好きだ。



他人に挨拶なんて、東京で暮らしていると、なかなかしないからね。




実際、東京でバスに乗っている時に
乗客1人1人に「こんにちはー!!」と挨拶をする人が乗ってきたときは
コイツやべー奴じゃん!!と乗客全員が恐怖した。

もちろん、雰囲気的にヤバい感じはあったが
実際この人は何も悪くない。
まぁ、ヤバい人なんだけどねきっと。




高尾山みたいな観光地では、こういった挨拶はなぜかなくなってしまう。


しかしその奥
裏高尾〜陣馬山へのロングルートに入ると
また、すれ違う人達と挨拶が始まる。


ちなみに富士山も高尾山同様で
挨拶文化はない。





登っている時間は
景色が、道が、根っこが、空が、木が、
生きているなぁ〜。とか思いながら
頭の中のグチャグチャを揉み整えるのに最適だったりする。





考え事をしながら歩いていると
次の曲はこんな感じで〜とか、
あの人と作ってみたいな〜とか
自然の中で、自然と音楽のことが浮かんでくるのは
長年のラップ中心の生活が創り出した魔力みたいなのを感じて少し怖く感じだ。



"自然"という言葉って深いなぁ。


とか思って歩いていると
急に展望が開けたり
神秘的な大木が出現したりするから
山行中は忙しく退屈だ。
山頂で飲むインスタントコーヒーを思い浮かべる。





山頂で一服した帰りの下り道は、
スタジオ代わりに発生練習や、フリースタイル、持ち曲の練習をすることが多い。



道の曲がり角から、他の登山者がひょっこり出てくることもあって 
そんな時に決まってカニエウエストのモノマネなんてしてるもんだから
人生は深い。





この時期は、歌う以外にも
無性に叫びたくなって
「あ"あ"ぁぁぁぉぁあおおお!!」と
叫ぶ事ががよくあった。





ついでにファンタジー映画に出てくるとんでもなくオッカナイ暗黒指導者ばりに
「サラキーマ!!!!ザスラーーー!!!」などと
いかにもオークやゴブリン達がレスポンスをよこしそうな渇!も叫び散らかした!





それに反応した動物達が20XX年にあの革命を引き起こす事になるとは知らず…的な





絶対なんか溜まってるな!






今までライブをやって消費していた"何か"を久しぶりに吐き出したいような感覚だ。




グアッハッハッハ!





クラブと真逆の環境である
山の中 へ入ることで
またステージへ戻りたいという気持ちが強くなっていた。





グアーー!ッハッハッハ!




そんな時、アーティスト仲間のANIMAL-Xから連絡がきた。

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