【331日 ~ 君の目には見えてない ~】

この記事は僕が写真家として、好きな写真表現で世界で活躍するまでの話。

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マコヴォイもしくは、写真家ツカマコト

つぶやき文庫♯331
〜君に目には見えていない〜

家から歩いてすぐの所に揚げ物屋さんがあって、そこで働く70代のおばちゃんとよく話す。つい最近になって、ずいぶんと仲良くなった。今は下の名前に、ちゃん付けで呼ばれているほど。

年齢を感じさせない喋りに背筋もピシッとしていて、今も店頭に立ってお客さんの対応をしている。

そんなハツラツとした姿に、すごくいい人生を送ってきたんだろうな。と、そんな風に感じ取っていた。

ほんの数日前も、いつも通り仕事帰りに揚げ物屋に行ったらおばちゃんがいた。その時はもう閉店時間が近づいていて、お客さんも少なかったから立ち話になった。

なんてことない普通の話。
そこからどういう流れだったかな、おばちゃんがまた話出した。

それは実の息子さんを、昨年の夏に亡くしたという話だった。前日まで元気に働いていたけれど、翌朝には息をしていなかったという。話をする表情の柔らからはとても想像できやしない。いまだに死を受け入れられてない、というなんとも言い難い心情だということを、その時に初めて知った。

僕は勝手に、その人がどういう人生を歩んできたのかを、表情一つで想像していた。なのでちょっと、考え方を改めないといけないなと思った。自分の想像とは違って、実際にはそういう過去を持っているという事実がそこにあったから。

自分の憶測や想像だけで、物事を語るのは良くない。だってそれは『人の気も知らないで』というなんとも無神経な人間の立ち振る舞いになってしまうから。

それで僕は、これからも揚げ物屋さんに通う。

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