塚 真(放浪写真家)

【写真家 / 動画クリエイター】 . . 北海道の宗谷岬から、九州の屋久島まで。日本縦…

塚 真(放浪写真家)

【写真家 / 動画クリエイター】 . . 北海道の宗谷岬から、九州の屋久島まで。日本縦断を徒歩で挑戦中の33歳です。

最近の記事

    • 自己紹介 : 日本を歩いて旅する

      ❶簡単なプロフィール旅好き、写真好きな方は仲良くしてください。 ぜひ、旅の道中で会いましょう!! ❷自己紹介初めまして、塚真です。ずっとやってみたかった徒歩で日本縦断旅を実行すべく、今年の3月まで働いていた東京の会社を辞めました。4月18日より日本の最北端でもある宗谷岬から歩き始め、6月11日に函館に到着。その間、歩いた距離は763km。日々の様子をnoteで更新しながら、現在は礼文島にて長期滞在中。10月までは働きながら島暮らしを経験し、そのあと本州に渡り青森から縦断旅

      • 【1160日目(8.24/土)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島でみた茶色い羽の鳥”】

        つぶやき文庫♯1160 〜 礼文島でみた茶色い羽の鳥 〜スコトン岬にある職場のテラスからは、トド島がすぐ目の前に見える。風の強い日は白波が立ち、穏やかな時は漁船が往来する風景を見ることができる。勤務中には客足が途絶えたタイミングを見計らって、テラスに並べられた椅子に腰掛け眺めることもある。どれだけ気候が穏やかな日でも、そこそこの風が吹いていて風が止む日は珍しい。羽を広げ風に揺られているのはカモメ。時折、茶褐色の毛色のを見かけることがあるけれど、こっちは子供。少し経てば見分けが

        • 【1159日目(8.23/金)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島9月のシフト”】

          つぶやき文庫♯1159 〜 礼文島9月のシフト 〜新しいシフトの後半からは、アルバイトの数が現在の5人から僕を含めた3人になっている。礼文島の観光シーズンがいよいよ終わりに近づいているのだと、少しずつ実感が湧いてきた。ここに来た当初は、あとまだ4ヶ月もあると思っていたのに、あっという間に半分が過ぎた。別に焦る必要はないけれど、どこか焦る気持ちもあって。新学期を目前にした、学生時代の夏休み終盤の心境にも似ている気がする。あの頃の僕は結局なにもしないまま、ただナマクラに飲み込まれ

          【1158日目(8.22/木)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島からずっと遠い国”】

          つぶやき文庫♯1158 〜 礼文島からずっと遠い国 〜見覚えのないアイコンからメッセージが届いた、長らくやりとりがないうちに変わったのだろう。トーク履歴を少し遡ると、すぐにその人との記憶が蘇ってきた。背が高く整った顔立ちで、たしか僕よりいくつか歳上の人。かれこれ4年ほど前、島根県の出雲市で暮らしていた時期があって、その時に縁あって繋がることのできた人。僕のことを”真くん”と呼んでくれていたその人は、写真や映像を生業としていて、ファミレスではよく映画の話なんかで盛り上がった。海

          【1158日目(8.22/木)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島からずっと遠い国”】

          【1157日目(8.21/水)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島最北の岬で”】

          つぶやき文庫♯1157 〜 礼文島最北の岬で 〜夕方になると気温は20℃台前半を下回るというのに、そんなことはお構いなしにゴーグルを装着して水中に漂う職場の女の子たち。僕が寒さで陸にあがった後も、冷たいと言いながら身体は海の中。生粋の田舎育ちである僕よりも、ずっと逞しく見えた。太陽は岬の向こう側にあって、泳いでいる場所はすでに影で覆われている。海の向こうに見える丘の、そのまたずっと向こうには、いつにも増して利尻富士がよくみえる。そんな光景も珍しいなと、部屋からカメラを持ち出し

          【1157日目(8.21/水)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島最北の岬で”】

          【1156日目(8.20/火)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島でサヨウナラ”】

          つぶやき文庫♯1156 〜 礼文島でサヨウナラ 〜水平線と空の境目が色付き始め、まばらに浮かぶ積雲がオレンジ色に染まりはじめた午前4時。太陽が昇る位置と、雲の様子を後部座席の窓越しに眺めていた。職場の人たちで日の出を見ようと試みたのは、今回で2度目。前に挑んだ礼文岳では雲に阻まれたけど、今日は太陽を遮る分厚い雲は見当たらない。空全体が明るくなってきた頃、道路脇の防波堤から日の出を見た。今年、この6人で礼文島の海を眺めるのは今日が最後。すっかり仲良くなった社員の女の子が、今日、

          【1156日目(8.20/火)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島でサヨウナラ”】

          【1155日目(8.19/月)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島で最後のご馳走様”】

          つぶやき文庫♯1155 〜 礼文島で最後のご馳走様 〜今晩が島で過ごす最後の夜を迎える社員の女の子に、晩御飯を食べた後のご馳走様を言ってもらった。少し前、あと十日かぁ。なんて話をしていたはずのに、あっという間にその時がやってきた。晩御飯は6人掛けのテーブルで、隣に座ってくれていたのに、それが明日から居なくなると思うとやっぱり寂しい。そうは言っても日程を変更できる訳ではないから、限られた時間でできることを考えた。その影響で明日は早起きだというのに、夜遅くまでトランプの大富豪で盛

          【1155日目(8.19/月)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島で最後のご馳走様”】

          【1154日目(8.18/日)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島で僕らは”】

          つぶやき文庫♯1154 〜 礼文島で僕らは 〜島に来て繋がった旅人の再出発を見送った。小さな偶然の重なりを伝ってめぐり逢えたのは、それはやっぱりただの偶然で。けれどその偶然の裏側には多くの人たちが関わってくれていて、一人と一人が出会うというのはとんでもない奇跡のような出来事なのかなと、そんなことを考えていた。島の小さな魚港でお互いのこれまでを話した数時間、島民の方のご自宅でご飯をご馳走になった夜。車内で話したひととき。朝陽を見たこと、それから仕事合間で話した十数分。時間でみる

          【1154日目(8.18/日)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島で僕らは”】

          【1153日目(8.17/土)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島民の食卓”】

          つぶやき文庫♯1153 〜 礼文島民の食卓 〜島に来てから繋がった知人が、16時に職場まで迎えに来てくれた。今日は一段と風が強く、被っていた帽子が突風で吹き飛ばされそうになった。同じ島内であっても、ここスコトン岬には有り余る勢いで風が吹きつけてくる。助手席に乗り込むと、職場の駐車場から車を15分くらい走らせた所にある”れぶんちゅら工房”というお店に到着。出迎えてくれたのは、御年89歳になる天然昆布の漁師さん。優しい顔つきでありながら、その柔らかい表情にはそぐわないほど手の平が

          【1153日目(8.17/土)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島民の食卓”】

          【1152日目(8.16/金)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島、甘いのが好き”】

          つぶやき文庫♯1152 〜 礼文島、甘いのが好き 〜口に入れた時に甘いと安心するというか、たぶん小さい頃から食べてきた卵焼きの味がこんなだったんだろう。居酒屋で食べるよりも、砂糖の甘みとバターの香りの広がる、子供が好きこのんで食べるような味付けがいまだに好き。今日の晩御飯では青いお皿の上に、より鮮やかに見えるよう配置されている。コントラストの効いた黄色が眩しい。作ってもらったにも関わらず、口へと運ぶときだけは、どこか上から目線で、どこか審査員目線の心持ちで味わっていた。これだ

          【1152日目(8.16/金)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島、甘いのが好き”】

          【1151日目(8.15/木)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島で洗濯物が乾くまで”】

          つぶやき文庫♯1151 〜 礼文島で洗濯物が乾くまで 〜お盆休みにはお客さんの年齢層がぐんと低くなって、宿泊客も家族連れが多くなった。たったそれだけで、店内には夏休みの空気感が漂う。なにせ北端にある島暮らしというのは、世間という言葉からは遠く離れすぎていて、季節の移り変わりすらも感じ取るのが難しい。電車の空調の温度や、街の装飾、コンビニの品揃え。視覚から得られる情報が、本州にいた頃に比べると極端に少なすぎる。夜には20℃を下回る気温は、夏であり夏ではないような気分にさせる。そ

          【1151日目(8.15/木)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島で洗濯物が乾くまで”】

          【1150日目(8.14/水)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島にて夜初めての居酒屋”】

          こんにちは、ツカマコトです。北海道の宗谷岬から九州の屋久島まで、日本縦断を徒歩で挑戦中の33歳です。 つぶやき文庫♯1150 〜 礼文島にて夜初めての居酒屋 〜退勤間近のタイミングで、今晩は居酒屋へ行こうと声がかかった。もう少しで去る社員の方と、これが礼文島で最後の外食になる。あたり前のように言葉を交わし、当たり前のように食事を共にしてきたけれど。ちゃんと別れの時は来て、みんな次へ進む時がすぐそこまで近づいているんだという実感が湧いてくる。アルコールで少しぼんやりとした頭が

          【1150日目(8.14/水)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島にて夜初めての居酒屋”】

          【1149日目(8.13/火)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島という空間を楽しむ”】

          こんにちは、ツカマコトです。北海道の宗谷岬から九州の屋久島まで、日本縦断を徒歩で挑戦中の33歳です。 つぶやき文庫♯1149 〜 礼文島という空間を楽しむ 〜お腹を満たしたあと、椅子に深く腰掛けるだけの何もない時間。近くに居ながらも、全員の視線がそれぞれ違う方向に向けられている。そんな6人掛けテーブルにUNOが並ぶと、たちまち視線は卓上に吸い寄せられるように進路をかえる。負けても勝っても全員で盛り上がれるこの見事なカードゲームは、アメリカで理髪店を営むマール・ロビンスの手に

          【1149日目(8.13/火)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島という空間を楽しむ”】

          【1148日目(8.12/月)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島の港で夏を過ごす”】

          こんにちは、ツカマコトです。北海道の宗谷岬から九州の屋久島まで、日本縦断を徒歩で挑戦中の33歳です。 つぶやき文庫♯1148 〜 礼文島の港で夏を過ごす 〜引きも切らず打ち上がる光の線を、カメラ越しに何度も目で追いながら、時折シャッターのボタンを押す。二日前、強風により延期になった花火大会は、平日の夜に行われた。船着場から少し離れた漁港には出店もあって、設置された長テーブルにはすでに酔っぱらった人もいる。そんな賑わいの中、予定通り花火が打ち上がった。撮ったばかりの写真を見返

          【1148日目(8.12/月)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島の港で夏を過ごす”】

          【1147日目(8.11/日)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島でサヨナラの時”】

          こんにちは、ツカマコトです。北海道の宗谷岬から九州の屋久島まで、日本縦断を徒歩で挑戦中の33歳です。 つぶやき文庫♯1147 〜 礼文島でサヨナラの時 〜今月の20日、仲良くなった社員の女の子が本道へ帰る。いわゆる辞令といいうやつで、つい先日店長の口からその事実を知らされた。おおよその日程はなんとなく、うっすらと聞かされてはいたけれど。いざその事実を認識すると、やっぱり寂しさが込み上げてくる。一緒に過ごしたこれまでの日々が、実際に過ごした日数には収まりきらないほど濃かったよ

          【1147日目(8.11/日)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島でサヨナラの時”】