【編集後記】4415 ブロードエンタープライズへのインタビュー(後編)
ブロードエンタープライズ[4415]さんとのインタビュー動画(後編)が公開されましたので、その時のお話などを書いてみます。
前編はこちらからドゾー。
BRO-ROOMというサービスを勘違いしてました><
インタビューの通りなのですが当初、リノベーション(リノベ)を望む大家さんにIoTに関わる部分のみを融資する事業かと考えていました。リノベは必要としてもIoTまでは必要と感じている大家さんはどれほどいるものか?と疑問に思ってまして、直球で聞きました。
そもそもBRO-ROOMは、空室に悩む大家さんに向けてリノベの資金提供を目的としているわけで、リノベにIoTを附帯させているのはB-CUBICシリーズとのセットが前提にあるからと理解しました。B-CUBICシリーズの顧客であるなら既に大家さんや物件の状況はある程度、把握できているのは大きいかと思われます。
BRO-ROOMの強み
「初期導入費用0円プラン(0円プラン)」による資金提供が強みになります。Nextを始めたときの引き合いの強さがBRO-ROOMに繋がったのでしょう。
この0円プランを実現可能としているのは債権流動化です。債権流動化は社会的信用が必要になります。同業他社は非上場の中小企業が大半でして、この手の金融サービスを利用することは難しく、上場企業であるブロードエンタープライズにメリットがあると言えましょう。ある程度の参入障壁は期待できるかと思われます。
債権流動化の流れ
2パターンあります。
ひとつは会計変更(収益認識基準)によるものになります。通常のB-CUBICは、初期費用とランニング費用を全て込みで契約期間6年間に渡って按分化して売上計上します。会計の変更により回収できていない費用は前受金として計上され、自己資本を圧迫しています。ただし、今後は時の経過により自己資本が回復していくことになります。
もう一つは0円プランによるものです。0円プランでの売上は売掛金として計上します。売掛金は売上高として先に計上されることを意味します。一方で、コスト回収はB-CUBIC・B-CUBIC Nextでは6年間、BRO-ROOMでは10年間に按分化され、回収できていない費用は借入金で賄うことになります。
で、借入が増えるとオレンジ色の部分、つまり自己資本(株主資本)が圧縮されることになります。自己資本が大きければ大きいほど安定した経営と言われ、借入に際しても参考にされる項目と言えましょう。業種に依りますが(私の独断では)自己資本比率は20%以上が望ましいです('23/12 3Q決算現在、自己資本比率11.3%)。
とまあ、0円プランを進めれば進めるほど短期的に借入が増え、自己資本比率は低下します。
債権流動化は、まだ回収されていない売掛金を現金化し、短期借入金と相殺することで経営の安定化(厚めな自己資本比率)を期待しています。0円プランを活用する限り、このスキームは必要不可欠となるわけです。
中西社長のYouTubeチャンネル
実は今回のインタビューで、私が好き勝手に質問することが本当にこの企業にとって良い方向だったのか、最後まで悩んでました。前知識無く今回のインタビューを見たところで、質問の意図を把握できるかは疑問だったんですよね。
それならば中西社長のYouTubeを見てもらったほうが余程、意味があるんじゃないかと感じたんですよ。前半で唐突もなく「何故今回上場することにしたのか?」という質問は、中西社長のYouTubeからきてます。あのチャンネルのサブセット(?)として、事業を知らない人にも分かるような質問にした方が差さるのではないかと思ったんですよね。
実はインタビューでも時折、YouTubeみましたー的なコメントを散発してたんですが、結構削られてました。
「全体を通しての感想」はビビってたよねw
すっかり忘れてました。
インタビューの最後に感想がほしいと言われてた気がするのですが、当日のインタビュー開始まですっかり忘れてました。インタビューの最中に必死に考えたのがアレです。ホント許して。
今後、新規事業を軸に中期経営計画(中計)が策定されるのかと思われます。新規事業ですので紆余曲折を経ることになることでしょう。この初年度から見れる機会というのは投資家としても貴重だと思ってます。
取り敢えず中計待ちですかね =)。