第62回MCMEセミナー開催

有明キャンパスで,第62回のMCMEセミナーを開催しました.オンライン参加も含め計67名の研究者の方が参加されました.比較的単純な式でありながら,初期値の少しの違いが急速に拡大するカオスを理解することは自然界に現れる複雑な現象の理解に役立つことが期待され研究され続けてます.

斉木先生は,ある種の異なる不安定周期軌道が混在するという性質を高次元カオスが持つ特徴の一つとして捉え,その特徴をもつシンプルなカオス写像を提案され,その性質について紹介されました.
具体的には,写像の不安定周期解に対してそのヤコビアンの固有値から"k不安定性"を定義し,異なるkに関するk不安定周期解が混在する場合,その写像をヘテロカオス的であるとみなします.その上で,ベーカー写像を基にヘテロカオス的なミニマル写像を提案され,その振る舞いの具体例を紹介されました.
複雑な高次元カオス研究では着目する特徴により様々な研究が行われていますが,k不安定性に着目しミニマルモデルの詳細を調べることで高次元カオスの理解に迫る今回の研究は,とても興味深いものだと認識させられました.

武蔵野大学 数理工学センター MCMEセミナーについては以下のURLでアクセスできます。
https://www.musashino-u.ac.jp/research/laboratory/mathematical_engineering/seminar_symposium.html
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