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ミンダナオ子ども図書館を訪問して

Maayong Hapon!(ビサヤ語でこんにちはの意)

今回は、NGO法人ミンダナオ子ども図書館(MCL)でボランティアスタッフとしてお手伝いをしている松下弘樹です。大阪の大学の4回生で、経済学を学んでいます。今回は、私がMCLを訪れたきっかけや、そこで体験したこと、感じたことを綴ります。
私がMCLを訪れたのは、2019年2月でした。それから、2年半もの月日が経っていますが、今でもMCLの子供たちの名前や顔、彼らとの会話など、些細な思い出も鮮明に覚えています。それほどにミンダナオは忘れることができない、私にとって大切な経験なのです。

貧しい人の助けになりたいと思った高校時代

私がMCLを訪れた理由、途上国の現状を詳しく知りたいと思ったからです。私の国際協力への思いの芽生えは高校時代の英語の授業でした。ウガンダで少年兵の武装解除の活動をしている、瀬谷ルミ子さんの記事を読んで、世界の現状について大きく関心を持ち始めました。私は、複雑な家庭環境の中で育ち、自分自身が幸福だという実感を持てずにいました。しかし、途上国で起きていること、そこで暮らす人々の境遇を知り、自分と比較できないほど大変な状況の人々が世界中にいることに驚愕しました。
それをきっかけに、途上国を知りたい、自分が支援に関わりたいと考え始めました。

ミンダナオ5

現地で感じた思い「彼らはふしあわせなのか?」

MCLへの訪問は私の国際協力への考えに大きな影響を与えました。関心を持ち始めた当初の私は、途上国の人々が「かわいそう」や「助けてあげなければならない存在」として考えていました。しかし、MCLに訪問して、そこで暮らす子どもたちやスタッフとの会話などを通して、それは違うという違和感が頭の中をよぎりました。その中でも特にそのように感じるきっかけになったのは子供たちの笑顔やたくましさです。

MCLの子供達は料理や洗濯など、共同生活を通して、本当の家族のように団結しながら、精神的に豊かに暮らしていました。そこで私は、「彼らが本当に助けてあげなければならない存在なのか?」「物質的豊かさと本当の幸せは違うのではないか?」と感じるようになりました。経済学を学ぶ私は、いかに所得やGDPなど、いかに経済活動を活発にさせて物質的豊かさを得るかを学んできましたが、今回の訪問を通じて、それだけではなく、いかに本質の幸せを追求するのかも大切なのだと感じました。

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一方で、途上国の現実も

このように、ミンダナオの子供たちの豊かさに気づいた一方で、やはり、途上国の現実というのも目の当たりにしました。それは、彼らが環境や家庭の境遇によって人生のチャンスや選択肢がとても狭くなってしまうことです。私がMCLで出会った子供達は、学校に行かずに農園で働いていた子、親を紛争で失った子など、様々なバックグラウンドを持っていました。もし、この子たちがMCLの支援を受けられていなければ、学校に行くことができなかったのなら、どうなっていたのだろうかとすごく気になります。

もしかすると、親の代わりに兄弟を育てるためにきつい仕事に従事していたかもしれない、飢えで苦しんでいたのかもしれない、食いぶちを減らすために若いうちから結婚していたのかもしれない。どの人生が彼ら、彼女らにとって幸せなのか、わからないし、それを私が決めるのも間違っている。しかし、せめて、その子たちが「兄弟のために自分が働くしかなかった。」などと思わずに、本人が望めば、学校に行くなどといったチャンスをつかむことができる社会であるべきだと私は思いました。「全ての人が前向きに人生を切り開ける社会を作ること」こそが、私の支援したいことだと気づくことができました。


このように、MCLでの経験が私に新たな見地を与えてくれました。これからも私は国際協力人材を目指して、突き進もうと考えています。MCLでの体験を「いい思い出」として胸にしまうだけではなく、また、MCLに「恩返し」するだけでもなく、「恩送り」としてほかの人や社会に還元できる人間になりたいです。


読んでくださりありがとうございます。

これからもどんどん更新していくので、読んでくださると嬉しいです!

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