イヌとアゲハと男と女
毎朝起きたらベランダの窓を開け、みかんの木を確認するのが日課。
なぜなら、そこにはアゲハの幼虫がいるから。
幼虫のうち2匹は昨日まで鳥のフンだったのに、今朝脱皮したみたいできれいな緑になっていた。かわいい。うん。とてもかわいい。触れないけど。
最近私のFacebookは虫とりの話題で埋め尽くされているからか、虫が好きだと思われているフシがある。
改めて言うけど、私、虫苦手。触れる虫はいない。何なら図鑑も苦手。殺虫剤とか虫が苦手な人が使うのにリアルな虫の絵とか描いてあるの許せないし、お花畑とか描いてあればいいと心から願ってるし、もちろんそんなガチ虫描写してある殺虫剤触れないから買うこともない。
でも、アゲハは卵から成虫まで大好き。(触れないけど)
私の好きは、いつもこんなだ。
好きにカテゴリーも関係性も求めない。
だから、私の好きはすぐに行き違う。
「好き」って言ったのに
「じゃ、どうしたいの?」とか「どうなりたいの?」って答えが返ってくると困ってしまう。
好きの先には目的やら目標やらがあるのが普通なのかもしれないし、好きならば関係を築くのが筋なのかもしれない。
でも、私の好きはただ好きなの。
イヌが「好き好きーぺろぺろ」ってするけど、だからどうして欲しいとかじゃないでしょ。実際なめ返したら嫌がられたし、どうやら同じようにして欲しいわけではなさそう。ただただ大好き、ぺろぺろ。アレに近い気がする。もちろん気位の高いイヌはちょっとやそっとじゃ好き好きしないし、臆病なイヌも一途なイヌもいるけど。少なくとも私が飼っていたイヌ達は「好き好き大好きー!以上!」って感じで。自分が育てたから自分に似たのかもしれないけど、イヌの好きはすっごい理解できる。
おれ
おまえ
すき
みたいな。
だから男としてとか、女としてとか、友達としてとか、何ならどんなブランドの物やらどこの景色やら何の香りやら味やら関係なくて、好きなものはただ好き。
もしかしたらその先に、関係やら性的なものとか、そういうものがついてくるかも知れないけど、とりあえずそんな事はどうでも良くて、好きなの。
そんな感じなので、私の人間関係はこの「好き」一発でドン引きされてぶっ壊れるか、似たものが残って好き好き仲良しコミュニティが出来上がるかのどちらかな気がする。かなりリスキーだけど後者がある限り捨てたものではない。
私の周りにはこのイヌ系が多く、私の横でギターを弾く昭彦なんて、代表的なイヌ系だと思う。昭彦もすぐに気持ちがあふれて
おれ
おまえ
すき
をやらかし、その後微妙な顔をする男子(女子の場合もあるが)に「いや。変な意味じゃないんだ!!!」って弁明するところまでがワンセットなのを見ると、イヌがイヌである事はなかなか大変なのだと気付く。
わかるよ、昭彦。ただ好きなんだよね。わんわん。
この好きに当てはまるうまい言葉があればいいのに。
それと、男とか女とかどちらでもないとかイヌとかじゃなくて、この好きが伝わればいいのに。
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