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川端康成の作品に、「執着の昇華、創造の源」を見る

「執着」って、ネガティブなイメージが強い言葉のひとつな気がします。

でも、うまく制御できれば、そこから膨大なエネルギーを取り出して、良い方向に昇華できるのではないかと。

その「制御」が難しいんですけどね💦

数年前に、川端康成の作品を読んでいて、そんなことを考えました。

川端康成と言えば、
「雪國」「伊豆の踊子」
などが代表作ですが、その他にも短編集もたくさんあって。
「掌の小節」の「雨傘」は、ものすごーく短いけれど、川端康成の作品の中で一番好きです。
純に隠された熱、心地良い余韻。

で、いろいろ読むうちに、あるひとつのモチーフが、何度も何度も繰り返していろんな角度から形を変えて書いてあることに気が付き。

その執念と創作意欲に、ぞっとするほどの熱を感じました。

おそらく源泉は、叶わぬ恋。

途中までは、
「これは、凄い」
と夢中になって、「川端康成初恋小説集」を中心に関連する内容を読み漁っていたのですが。

途中から、そのリフレインっぷりに
鬼気迫るものを感じて。
怖くなって、読み続けることができなくなりました。
物凄い執念、、ホラー小説よりよっぽど背筋が寒くなってきます。

その後、川端康成文学館にも訪れたりしてはいるのですが、作品を読むことからはちょっと遠ざかっています。

免疫が出来て、こちらのメンタルも強化されたらまた読めるかな。

あれは結晶化の過程、精錬、はたまた錬金術か。

強力な執念、

「もし、こうだったら、どうなった」

ある選択によって失われた幸せな未来
やるせない後悔と慟哭
それにまつわる膨大な情報と材料を
確かな技術で凝縮、再構築することによって、
パラレルワールドが無限に生まれ
そのうちの一つが
珠玉の小説として出来上がるというのならば
目を逸らさず読めるようになりたいものです✨

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