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スピリチュアル卒業記 (1)

随分と経ちますが、20代半ばまで5年ほどスピリチュアル(ニューエイジ思想、精神世界)に凝っていた時期があったのを思い出しました。

本文は個人的な経験・疑問をまとめたもので、特定のメソッドのプラクティショナーやヒーラーの方をジャッジするものではありません。

原体験

子供のころからきれいな石(水晶などの天然石)が大好きでした。ミュージアムショップで買ってもらった研磨石を夢中で見つめたり、触ったり、一緒にお風呂にも入ったものです。

当時、近所には看板に「AURA SOMA」と書かれたお店がありました。ガラス越しに見る店内は、きれいな石やガラス瓶が並び、パステルカラー調にコーディネートされていたのをよく覚えています。
なんのお店かその時はよく分かりませんでしたが、キラキラした心地良さそうな空間に思えました。連れて行ってほしい、と何度か親に言ったのを覚えていますが、どういうわけか聞き入れてくれませんでした。

その店がスピリチュアルグッズやヒーリング、リーディング(占い)を提供する「ニューエイジショップ」だという認識は、親にもなかったようですが、占いや迷信(星座占いや先祖信仰)は強く警戒する家庭だったので、何らかの拒絶反応があったのでしょう。

中に入れないお店への憧れが、後にスピリチュアルなもの(ニューエイジ的なもの)への興味に繋がりました。

子供の頃の反動でハマる

天然石がとにかく好きだったので、「石は買わないよ」という条件で買ってもらった、クリスタルヒーリングに関する本を熱心に何度も読み、いつか自分で稼いだお金で石を買う日を夢見ていました。
これが鉱物図鑑だったら、天然石へのアプローチも違っていたかもしれません。

アルバイトができる年齢になると、子供のころの反動で、クリスタルヒーリングやオーラソーマに夢中になりました。社会人になってからも、近隣のニューエイジショップに足繁く通い、関連書籍や天然石、いい匂いのする色水を集めていました(これがとても高いんです)。
他にも、以下のようなものに手を出しました。

・エンジェル、アセンデッドマスター、ハイヤーセルフといった"高次元"の存在のチャネリング(交信)
・タロット、エンジェルカード
・レイキ、遠隔ヒーリング
・誘導瞑想、ヒプノセラピー

ヒーラー養成講座なども受けたいと思ったことがありましたが、それについては別の機会に書こうと思います。

精神疾患を発症、結局は現代医学で解決

20代は夢に挫折したり、うつ病、不眠、失業、失恋など、うまく行かないことが続きました。周囲の人間は普通に出来るのに、自分には頑張っても出来ないことが沢山あり、非常に生きづらかったです。

必死にヒーリングをしたり、パワーストーンで豊かさを引き寄せようとしたのも、辛さの原因が分からないまま「"普通"の努力ではどうにもならない」と諦めていたからだと思います。

残念なことに、スピリチュアルを頑張っても状況は改善しませんでした。努力しているつもりで、本当は心地よいグッズや言葉に囲まれてラクをしたかっただけかもしれません。
ファンタジー小説と同じように、全てはエンタメだと割り切って楽しめたら良かったのかもしれません。

別の心療内科に通い始めてから数年後、発達障害の診断が下りました。長年悩まされたうつ・不安障害・不眠などは、その二次障害だったことが判りました。

発達障害の克服に取り組むようになってからは、自然とスピリチュアルグッズにかけるお金も時間も減り、つらい症状も徐々に改善していきました。再就職も叶い、生活も安定しました。

生きづらさの根本的な問題(自分の場合は発達障害)を理解し、投薬治療に並行して生活習慣を改善していきました。また、認知行動療法やメモ術を通じ、問題に対処するためのテクニックを学んだことで、”スピリチュアル”なものに頼る必要がなくなったのです。

(例外的に、ある地域の伝統的な問題解決法をベースに考案された、某実践術だけはその後も暫く継続していました…が、それについても、疑問が生じて今は寝かせてあります。そのうち書きます)

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