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3 香港社会に投げかける新しい息吹:香港デモインタビュー ピーター(後編)

2016年の香港立法会選挙は香港始まって以来の混沌とした選挙だった。

それは2014年の雨傘運動の動きを反映したということに留まらない。

香港の独立や民主政治による香港人自身で決定する未来を叫んだ候補者が乱立し、そして当局が人権や憲法上の齟齬を無視して待ったをかけた、異例の選挙だった。

日本でも名前がよく知られているジョシュア(黄之鋒)は反愛国教育運動で知名度を上げた学民思潮(scholarism)を発展的に解消し、政治政党である香港衆志(Demosistō)を立ち上げた。

党の共同創始者には日本語が堪能で日本において圧倒的な知名度を誇る周庭(アグネス)や、雨傘運動を学連事務局長として率いた周永康(アレックス・チョウ)らが名を連ねている。

選挙の際には被選挙権の年齢の問題でジョシュアやアグネスは立候補せず、党首の羅冠聡(ネイサン・ロー)が立候補し、当選した。

さて、ピーターの青年新政も選挙立候補への準備を進めていた。

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