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牧師夫人の徒然なるままに(六九五)  「信仰継承とは」(ユダの王たちに学ぶ)

 列王記、歴代誌を読んでいると、次々に現れる北王国、南王国の王の数の多さにため息交じりに「覚えられない!」と叫びたくなる人もいらっしゃるでしょう。しかし、それぞれの王が、必ず学び取るべきレガシーを残してくれているように思います。たとえ、それが反面教師としてであったとしても。
 紀元前七百年代に登場したユダの王三人から、私は大切な教訓を受けました。ウジヤ王、ヨタム王、そしてアハズ王です。南王国は世襲制でしたから、息子が王位を継承しています。
 ウジヤ王はその父にならって信仰に立っていましたがやがて高慢になって祭司の権威を侵す罪を犯してしまいます。そして主の怒りと裁きの結果病気になり、晩年は隔離生活を強いられました。その子ヨタムは、父のそのような生涯を見たからでしょうか、堅実な信仰を貫きました。歴代誌二七章二節には「彼はすべて、主の目にかなうことを行った」と記されています。
 ところが残念なことに、その子アハズの信仰は吹けば飛ぶようなもので、目に見える成功に心を奪われがちでした。敵国の偶像をためらいもなく取り入れて、真似てあやかろうとする節制の無さでした。心の深みに父の信仰継承がなかったのです。「石地に落ちた種」のような信仰でした。心の耕しが足りなかったのです。

安食道子

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