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「牧師夫人の徒然なるままに」(六三九)「ありのままでいいのです?」(その1)

 ここ何年か「ありのままのあなたでよいのです」とか「そのままのあなたを生きましょう」というようなキャッチフレイズが飛び交うようになりました。
 私の好きな賛美曲にも「バラはバラのように、スミレはスミレのように、私もこのままの姿でついて行きます」という歌詞があります。
 大切なのは、ナンバーワンになることではなくて、オンリーワンとして輝くことだという思想がその背景にあって、多くの支持を得ているようです。「世界で一つだけの花」という歌が大流行したことも影響をしているのでしょうか。
 しかし、時々私は首をかしげます。二〇年も前のことだったでしょうか。日本女性の誇る黒髪に替わって突然茶髪が出現し、それが当初は不良扱いをされたのに、瞬く間に市民権を得てしまいました。女性に限ったことではありません。今や、性別を問わず、だれもが「染髪の文化」に浴しているのです
私が問題視するのは、それが「誰もが」であることです。今や、髪を明るい色に染めていない人は、よほどのかたくなな年配者に限られているとさえ思えます。
染髪という小さな事柄で「自分らしさ」を表現しているつもり?かもしれませんが、なんだか「みんなと同じだと安心だから」ではないかと疑うのです。


安食道子 

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